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#2 今注目のリテールメディアとは?注目の背景、メリット、事例まで解説

みなさんこんにちは!パルディア情報局です!

セールスプロモーションに関連する情報をみなさんにお届けする株式会社パルディア公式noteですが、今回は「リテールメディア」について解説していこうと思います!

目次


1.リテールメディアとは

リテールメディアとは一般的に、小売事業者が外部向けに提供するECサイトや店舗に設置されたサイネージ広告といった広告媒体のことを指します。小売業者が持つ顧客データや販売チャネルを活用して、広告主がターゲットとする消費者に対して広告やプロモーションを行う事が可能です。小売業者が持つデータには購入情報や検索履歴などが含まれるため、これにより顧客の属性や趣味嗜好に合わせた精度の高い広告を配信することが可能です。
また、これらの広告枠を通じて小売事業者は広告収入を得ることができるため、小売事業者にとっての新たなビジネスモデルとしても注目されています!

リテールメディアの仕組み

またリテールメディアは、小売事業社のDX化とともに進められるリテールメディアビジネスへのさらなる注力、およびこれを支援するテクノロジーの普及が進むことにより、ますます成長を続けることが予想されています。株式会社CARTA HOLDINGSの調査によれば、リテールメディアの広告市場は年々増加し、2024年で410億円、そして2026年には約2倍の805億円に達する見込みと言われています!

出典元:株式会社CARTA HOLDINGS「CARTA HOLDINGS、リテールメディア広告市場調査を実施 ~リテールメディア広告市場は2022年に135億円、2026年には805億円と予測~

2.なぜリテールメディアが注目されるのか

そんなリテールメディアが注目されている背景には、いくつかの要因があるんです!なかでも主要な3点をご紹介します。

■サードパーティークッキーの規制

プライバシー保護強化の観点でサードパーティークッキー(第三者がユーザーを追跡できる技術)の利用制限が進んだことに伴い、従来のターゲティング広告の手法が見直されつつあります。つまり、他サイトや広告メディアからの情報が活用しづらくなり、広告主は自社でデータを取るしか情報収集の手段がない状況です。
その中で、リテールメディアでは小売事業者が収集した信頼性の高いファーストパーティーデータ(自社データ)を活用できます。これにより、広告主にとって信頼性の高いターゲティング手法として注目されています。

■デジタル化の進展

デジタル技術の進展や新型コロナウイルス感染拡大等による環境変化を経て、消費者の購買行動もオンライン化が進み、デジタル接点が増加しています。これにより、小売業者は大量の顧客データを収集・分析できるようになりました。このデータを活用して、ターゲット広告を効果的に配信するリテールメディアの価値が高まっています。

■パーソナライズされたマーケティングの需要増

現代の消費者は、インターネットやソーシャルメディアの普及により、すぐに大量の情報に触れることができます。そのため、多く目にする一方的な広告よりも、厳選された自分にとって関連性の高い情報や広告を求めるようになってきています。
その中でリテールメディアは、小売業者が持つ詳細な顧客データを活用して、個別の消費者に合わせた広告を配信できます。これによって広告の効果が高まり、広告主のROI(投資対効果)も向上します。

3.リテールメディアのメリット

では、リテールメディアにはどのようなメリットがあるのでしょうか?消費者・広告主・小売事業者、3つの視点で見ていきます。また、「2」で触れた「パーソナライズされたマーケティングの需要増」の状況がメリットに大きく影響しているため、その点も下記から読み取ってもらえたらと思います!

■消費者のメリット

‐ パーソナライズされた最適な情報を得られる

リテールメディアは、詳細な顧客データを活用して、消費者にとって関連性の高い情報や広告を提供します。これにより、消費者は自分の興味・関心に合った情報を受け取ることができます。
例:過去の購入履歴に基づいて、おすすめの商品や特別なクーポンが提供される。

‐ スムーズな購買プロセス

オンラインとオフラインの両方でパーソナライズされた広告が表示されるため、消費者は自分に最適な商品を簡単に見つけ、スムーズに購入できるようになります。
例:ECサイトで見た商品が実店舗のサイネージ広告にも表示され、すぐに購入できる。

■広告主のメリット 

‐ 高精度なターゲティング

前述の通り、リテールメディアでは小売事業者がもつ詳細なファーストパーティーデータを活用するため、消費者の購買履歴や行動データに基づいた高精度なターゲティングが可能です。そのため、広告主はより関連性の高い、購買に近い層へアプローチできるので、広告の効果も向上します。
例:店舗内のデジタルサイネージを活用し、特定の時間帯に訪れる顧客層に合わせた広告を表示する。

‐ リアルタイムなデータ分析

リテールメディアは、広告の効果をリアルタイムで測定・分析できるため、広告キャンペーンの成果を即座に把握し、迅速に最適化することができます。
例:広告のクリック率やコンバージョン率をリアルタイムで観測し、広告内容やターゲティングをリアルタイムで調整する。

■小売事業者のメリット

‐ 顧客エンゲージメントの向上

顧客データに基づき、購買パターンや興味・関心に合ったキャンペーン情報やクーポンの配信で、来店促進や再来店の後押しになります。長期的な関係性に期待ができ、顧客とのつながりを強化します。
例:顧客の購買履歴に基づいて、個別のプロモーションや特典を提供し、再来店を促進。

‐ 広告収入を得られる

リテールメディアを活用することで、小売事業者は商品販売以外にも広告収入を得ることができます。これにより収益基盤が多様化し、経営の安定性が向上します。
例:ECサイトや店舗アプリの広告枠を外部の広告主に提供し、広告収入を得る。

4.リテールメディアの種類

リテールメディアには様々な種類があり、オンラインとオフラインの両方で展開されています。以下でリテールメディアの種類を5つ紹介していきます!

■オンラインリテールメディア

‐ECサイト

ECサイトでは、商品の閲覧や購入履歴にあわせて様々な広告を表示することが可能です。バナー広告、推奨商品、特集ページなどの形式で、顧客の購買データに基づいた情報提供が可能です。データに基づいた情報が表示されることで、消費者の便利で効率的な購買を後押しします。

‐アプリ

アプリでは、会員の登録情報や行動履歴などをもとにアプリ内広告はもちろんプッシュ通知やクーポン配信などにより情報の発信が可能です。店内に信号の発信によって利用者の位置が確認できるBeacon(ビーコン)を設置しておけば、位置情報との連携でアプリのプッシュ通知で来店客に対して訴求ができます。

■オフラインリテールメディア

‐デジタルサイネージ

デジタルサイネージは店舗内外に設置されたデジタルディスプレイを使って広告や情報を表示するシステムです。動きのあるコンテンツで視覚的なインパクトを与え、リアルタイムでの柔軟な情報更新が可能です。時間帯や来店客層に合わせて異なる内容を表示することで、パーソナライズされた情報提供も実現します。

‐ 店頭POP

店頭POPは商品棚やレジ付近に設置されるPOPもリテールメディアの一種です。一般的には商品名や値段などが書かれますが、最近よく見る小型モニターを使ったデジタルPOPなどは、立派なリテールメディアといえます。新商品発売や季節のプロモーションなど、来店客の目に留まりやすい情報を適宜届けられます。

‐ショッピングカート

ショッピングカートに小型デジタルスクリーンを取り付け、動的な広告や店内プロモーションを表示する店舗も増えています。カートに入れた商品によって商品やクーポンの提案をするなど、買い物中の来店客に直接商品を訴求できるリテールメディアです。

5.リテールメディア 事例

ここまででリテールメディアについての理解は少し深まったでしょうか?続いてリテールメディアが効果を上げた活用事例を紹介していきます!

■Amazon

世界規模の小売事業者であるAmazonは、自社のウェブサイトやアプリ内で広告を掲載し、商品ページや検索結果ページに広告を表示できる「Amazon Ads」を提供しています。広告はAmazon内の商品検索結果や商品詳細ページの目立つ位置に表示され、商品の売上を促進するとともに、ブランドの認知度を高めることができます。

たとえば、Amazonのアプリでボールペンを検索するとします。すると、Amazon内の関連商品一覧の中に複数企業が出稿している広告が表示されます。広告は通常商品のような見え方になっているものもあり、欲しい商品の情報であることに変わりはないので、広告だと気付かずにタップしているケースも多いでしょう。

また、Amazonはリテールメディアの業界では圧倒的な存在感を持っています。

出展:Glossy+ Research 2024
質問:貴社または貴社クライアントでは現在どのリテールメディアを利用しているか(複数選択)

リテールメディアの活用が進むアメリカで広告主を対象に取られた上記調査では、80%以上がAmazonをリテールメディアとして活用しているとの結果が出ています。

■Walmart

アメリカで約4,700店舗を運営する小売事業者であるWalmartは、自社のオンラインプラットフォームであるWalmart.comや店舗内で広告サービスを提供しています。実店舗内のデジタルサイネージや棚の前での広告表示、オンラインでのリターゲティング広告など、多様な広告チャネルを提供しています。

前述の調査でもAmazonに次いで活用されているWalmartですが、2024年4月上旬に自社の広告プラットフォーム「Walmart Connect」の最新情報と目標を発表しました。

・ディスプレイ広告の提供拡大
・「walmart.com」販売事業者以外の広告活用
・店舗内広告の広告クリエイティブ作成のサポート
・従来よりも優れた広告分析ツールの提供 など

実店舗とオンラインの強力な融合、広範な顧客基盤、高度なデータ活用により、広告主にとって非常に魅力的なプラットフォームとなっていくことが予想され、その影響力は今後も拡大し続けることが期待されます。

■マツモトキヨシ

日本の事例も1つご紹介します。日本のドラッグストアチェーンであるマツモトキヨシもリテールメディアとして機能しています。オンラインストアや公式アプリを通じて顧客の購買データを収集し、デジタル広告を展開しています。2019 年にはGoogleのプラットフォームを活用した「Matsukiyo Ads(マツキヨアド)」をリリースし、メーカーと共同で販促を行える仕組みが出来上がっています。

Matsukiyo Ads(マツキヨアド)の仕組み

引用元:マツキヨは小売からマーケティングパートナーに——メーカーと共にブランドを育てる「Matsukiyo Ads」、2019 年立ち上げのその後

Matsukiyo Adsの強みは、EC・店舗での購買データに基づいて、デジタル広告の配信を最適化できることです。ECはもちろん、店頭での購買までを結びつけた効果検証が可能であることが強みといえます。

リリース直後からコロナ禍以降も多くの受注を集め、2022年4月時点のリリースからおよそ3年で100件を超える運用を行っています。2021年10 月には、ココカラファインが経営統合し、グローバル展開を加速すると共に、統合後もいっそうオムニチャネル化を強力に進めています。

まとめ

以上、セールスプロモーションに関連する情報をみなさんにお届けする株式会社パルディア公式note、「リテールメディア」についての解説でした!皆さまのお役に立てたでしょうか?今後も有意義な情報をご提供できたらと思いますので、お楽しみに!


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