24作品目 音楽「Nagakumo」

どうも自家焙煎珈琲パイデイアです。「淹れながら思い出したエンタメ」の24作品目でございます。
なんかここで「エンタメ」って言い方をするの、ちょっと嫌な感じしますよね。
そんなことないか、そもそもエンタメってなんだ、カルチャーとどう違う?
そんなことは一旦さておいて、珈琲を淹れましょう。

今日はネルドリップで抽出したアイス珈琲を抽出しています。豆はクラフトブレンド〈極深〉を使って。

そうなんですよ。
「淹れながら」という割に、珈琲を淹れている素ぶりがあまりにもなさすぎると思い、珈琲を淹れる風景と、どんな珈琲を淹れたかを、ちらっと記しておくことに、たった今、しました。

今回の書き留めはパイデイアとかなりご縁のあるバンドNagakumoさんです。
(一方的にこちらが思っているだけで、メンバーの方には一切合切、認知されていません。ちょっとイタめのファンです。)

一番最初の自己紹介でも書いたのですが、私はサブスクがなんでも聞けることに甘んじて、月に何回か、ジャケ買い、ならぬ、ジャケ聞き、をしています。
ジャケットだけで、初めましての方のアルバムを聞く、というかなりシンプルなやつです。
この時のルールは一つ、選んだら必ず最後までそのアルバムは聞き切る、というだけ。
長めにお風呂に入るときやドライブの時など、音楽がお供にありがたいタイミングでやっています。
もっとも、週40時間以上きいているラジオが聴き終わっていて、なおかつ新しいものを受容できる体力があるときに限定でやっています。
(年齢とかではないと思いますが、新しいものというのは時として結構な体力と気持ちが必要です)

そこである時、ジャケットのデザインに惹かれて、聞いたのがNagakumoさんの「EXPO」でした。

なんというか、これ、いい意味でアルバムのジャケットじゃないですよね。
なんか、よくあるのは、エモい感じの写真だったり、バンドメンバーだったり、なんとなくコンセプトが垣間見れるのがジャケットじゃないですか。
これ見て、どんな作品が収録されているのか、正直、伝わらないですよね。
まあ、そこがよかったわけです。

しかも、これ、全部収録曲のタイトルになってるんですね。読めそうで読めない、でもやっぱり読める、そんなフォントです。タイポグラフィとかいうそうです。
そんなところも、また面白くて、聴き込んだわけです。
私の中でジャケ聞き史上一番の大当たりだったんですね。

その時にはまだ産声を上げていなかった「自家焙煎珈琲パイデイア」がいつか形になった暁には、パイデイアロゴの作成をこの作家さんにして頂きたいと考えていました。
その辺りはHPのブログ、「焙きながらするほどでもない話」でしておりますので、興味がおありでしたら、ご参照ください。

なんだかんだありまして、パイデイアのロゴはNagakumoさんのジャケットを担当されている方に作っていただいたものです。
そういうわけで、パイデイアにとって(繰り返しになりますが、非常に一方的な)ご縁のある方々となります。

いつかは書きたいと思っていたのですが、こういう時のいつかは人身事故の起きた東海道線くらいなかなか来ないものです。
そうこうしているうちに、Nagakumoさんはマキタスポーツさんに紹介されていたり、やついフェスに出演されていたり、と八面六臂のご活躍。
よくない古参根性が、今のうちに書いておけよ、と囁くわけです。

ポップス史に詳しくないのですが、「ネオアコ」という一つのムーブメントが「渋谷系」とかと並ぶ頃に勃興したらしく、その系譜にあるため、逆説的な言い方で「ネオネオアコバンド」と自称しているそうです。
メイヤスーがポスト・ポスト構造主義と区分されるようなものでしょうか。知ったかぶりは止めましょう。

初めてNagakumoさんを聞いた時、おそらく全く新しいものではないんだろうけど(ポップスを意識的に聞くことが少ないので断言できないのです)、しかし、聞いたことがない、という印象でした。
今思えば、きっと(既視感ならぬ)既聴感、あれはジャズだったのだと思います。
というよりは、ハービーハンコックやチックコリアがいなければ、ジャズはNagakumoになっていた、という感覚です。
パラレルワールドのフュージョン、と言った感じでしょうか。

心地いいビート、特にDrumsのハイハットの刻み、とそれに乗っかるVoコモノサヤの声色が絶妙でいいんです。清らかで、透明感があって、でも、決して流され、掻き消されることの無い存在感。
そして、バンドメンバーそれぞれが、お互いのやっていることを理解して、尊重し合っているのを感じる演奏です。ハイハットとカッティングギターの感じとか本当に素晴らしい。
ポップス史というコンテクストは持ち合わせていないので、その辺の詳しいことは何も言えません。でも、どんなコンテクストの中にいようと、Nagakumoさんだけの音楽があるのは確かです。
誰かに音楽を薦めるときに「普段、何聞く?」という質問で、方向性の同じ音楽を手掛かりにしていきますが、Nagakumoさんは、「そういうことじゃなくて、聞いて!」と薦めています。
そういうんじゃないから!

〈information〉
自家焙煎珈琲パイデイアは「深煎りの甘味」をテーマに日々、珈琲の焙煎をしております。よろしければ、ぜひお試しください。詳しくはこちらを。
パイデイアのHPでも毎週金曜日、「焙きながらするほどでもない話」というたわいもないエッセイを更新しております。よければ覗いてみてください。
さらにSpotifyで「飲みながらするほどでもない話」という自主配信ラジオを毎月偶数土曜日に配信しております。気が向いたら、こちらもぜひ聴いてみてください。

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