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【植物のお世話の仕方・育て方】 バジル / グリークバジル(ブッシュバジル)

地中海の風を感じる香りと風味。それがグリークバジルです。細身で尖った鮮やかな緑色の葉が輝く様子は、庭での存在感も抜群。
ブッシュバジルとも呼ばれるこの品種は、その名の通り密生してこんもりと球状にまとまり、どんな鉢でも可愛らしく彩ってくれます。
ギリシャの伝統的な生活に欠かせないグリークバジル。あなたの生活をほんの少し豊かに変えてくれるはず。

日照条件

グリークバジルはその豊かな香りと風味を最大限に引き出すために、たっぷりとした日光を必要とします。2003年にイギリスのノッティンガム大学ではバジルの生育と日光量に関する研究が行われ、このバジルは、1日6時間以上の直射日光を好むことが判明しました。

Solar irradiance level alters the growth of basil (Ocimum basilicum L.) and its content of volatile oils (日射量がバジルの生長と揮発性オイル含量を変化させる)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S009884720700192X

Environmental and Experimental Botany
Volume 63, Issues 1–3, May 2008, Pages 216-223

栽培場所としては日当たりの良い場所を選ぶことが重要です。特に、南向きのベランダや庭の一角は理想的な環境となります。

日光が不足すると、グリークバジルの葉は薄くなり、風味や香りも弱くなってしまいます。日光を十分に浴びることで、葉が厚くなり、その風味もより強く引き立ちます。また、光合成の活性化により、植物全体の健康も維持されます。

もし日照時間が足りない場合は、植物用のLEDライトを使用することで、必要な光量を補うことができます。特に室内で栽培する場合、LEDライトは欠かせないアイテムです。LEDライトを使用する際は、1日あたり12〜14時間の照射が推奨されます。

このように、グリークバジルは日光をたっぷりと浴びることで、その美しさと香りを最大限に引き出すことができます。日照条件を整えることで、あなたの庭やベランダに地中海の風を感じる素晴らしいバジルが育つでしょう。

水やり

水やりのタイミングとしては、土壌の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるのが基本です。手で土を触って乾燥具合を確認し、乾燥していると感じたら水を与えます。一方で、土壌が常に湿っていると根が酸欠になり、成長が阻害されることがあります。水やりの頻度は、気温や湿度に応じて調整する必要がありますが、一般的には週に1〜2回が目安です。

また、グリークバジルは葉の上から水をかけると、葉に水滴が残りやすく、これが病害の原因となることがあります。水やりは根元から行い、葉に直接水がかからないようにするのが良いでしょう。

選定方法

剪定の基本は「摘芯」です。摘芯とは、バジルの成長点を摘むことで、新しい枝を出させる方法です。
成長が進むと、植物の中心部分に新しい芽が出てきます。この芽が成長しすぎると、全体のバランスが崩れ、葉の収穫が難しくなることがあります。
そこで、成長点を摘むことで、側枝の成長を促し、より多くの葉を得ることができます。

剪定は、開花前に行うのが最適です。バジルは花が咲くと、葉の風味が落ちてしまうため、開花を防ぐことが重要です。
開花の兆しが見えたら、すぐに花芽を摘み取ると良いでしょう。

また、収穫する際も剪定の一環として行います。
葉を収穫する際は、外側の葉から摘み取ると、内側の若い葉が成長するスペースが確保されます。
収穫は定期的に行い、常に新鮮な葉を維持することが、植物の健康を保つ鍵となります。

剪定に使う道具は、鋭いハサミや剪定バサミが推奨されます。清潔な道具を使用することで、病気のリスクを減らし、スムーズな剪定が可能になります。

グリークバジルの剪定を適切に行うことで、より健康で風味豊かな植物を育てることができます。これにより、料理に使う際にも、フレッシュで香り高いバジルを楽しむことができるでしょう。

生育温度

グリークバジルは、温暖な気候を好む植物で、適切な生育温度を維持することが健康な成長にとって非常に重要です。理想的な温度条件を提供することで、バジルの風味豊かな葉を最大限に引き出すことができます。

バジルには
・ホーリーバジル
・スイートバジル(グリークバジルはコレに属します)
・レモンバジル
と有名なカテゴライズがありますが、気温が各種バジルの成長と発育に与える影響は十分に解明されていませんでした。
実験によりこれを解き明かし、バジルの生育には適切な温度領域が存在することを証明した研究が以下です。

Growth and Development of Basil Species in Response to Temperature(温度に対するバジル種の成長と発達)
https://journals.ashs.org/configurable/content/journals$002fhortsci$002f54$002f11$002farticle-p1915.xml?t:ac=journals%24002fhortsci%24002f54%24002f11%24002farticle-p1915.xml&t:ac=journals%24002fhortsci%24002f54%24002f11%24002farticle-p1915.xml

American Society for Horticultural Science 2019
Article Category: Research Article
Online Publication Date: Nov 2019
Page(s): 1915–1920
Volume/Issue: Volume 54: Issue 11

最適な生育温度は、日中25〜30℃、夜間15〜20℃の範囲です。この温度帯であれば、バジルは活発に成長し、豊かな香りと風味を持った葉を提供してくれます。

逆に、温度が極端に低くなるとバジルの成長が遅くなり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。最低でも10℃以上の温度を保つことが重要です。気温がこの範囲を下回ると、バジルは冬期に特に脆弱になりますので、寒冷期には屋内に取り込むなどの対策が必要です。

一方で、過度な高温もバジルにはストレスとなります。特に35℃以上の高温では、葉が焼けてしまったり、成長が抑制されることがあります。このため、暑い時期には適度な遮光や風通しの良い場所を選び、涼しく保つ工夫が求められます。

増やし方

グリークバジルの増やし方は、比較的簡単で、初心者でも楽しむことができるプロセスです。増やし方には主に「種からの育苗」と「挿し木」の2つの方法があります。

種からの育苗

グリークバジルは種から育てるのが一般的で、簡単に始められる方法です。以下のステップで行います。

  1. 種まき:
    種は春または初夏にまくのが理想です。種を用意し、排水性の良い土壌に均等に撒きます。種は非常に小さいので、軽く覆土する程度で大丈夫です。

  2. 発芽:
    土壌を湿らせ、温暖な場所に置きます。発芽温度は20〜25℃が理想で、発芽までに約1〜2週間かかります。

  3. 育苗:
    発芽後は、間引きして十分なスペースを確保します。成長が進むにつれて、日当たりの良い場所で育てることが重要です。

挿し木

挿し木は、既存のバジルから新しい植物を得る方法です。以下の手順で行います。

  1. カット:
    健康なグリークバジルの枝を選び、10〜15cm程度の長さでカットします。カットする際は、葉の先端を避け、若い芽の部分を選びます。

  2. 準備:
    カットした枝の下部の葉を取り除き、2〜3cmの長さを土に埋める部分にします。根が出やすいように、カット面に対して断面を軽く斜めにすると良いでしょう。

  3. 植え付け:
    排水性の良い土壌に挿し木を植えます。土壌を軽く湿らせ、明るい間接光の当たる場所に置きます。根が出るまでの期間は約2〜4週間です。

グリークバジルの増やし方をマスターすれば、お気に入りのバジルを手軽に増やし、さらに多くの香り豊かな葉を楽しむことができます。

おわりに

ご覧いただきありがとうございました!
グリークバジルの育て方や特徴についての情報が、皆様の園芸ライフに役立つことを心より願っています。
この香り高く美しい植物が、皆様の生活に彩りを添え、素敵なひとときを提供できることを楽しみにしています。

グリークバジルは、その魅力的な香りや風味だけでなく、育てる過程でも多くの喜びをもたらしてくれる植物です。
適切な日照条件、水やり、剪定方法を守り、最適な生育温度を提供することで、健康で豊かな葉を育てることができます。
また、種からの育苗や挿し木による増やし方も簡単で、どなたでも挑戦しやすい方法です。

このブログが、皆様のグリークバジル育成に少しでもお役立てれば幸いです。

引き続き、楽しいガーデニングと素敵な植物ライフをお過ごしください。
次回のブログでお会いできることを楽しみにしています!


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