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なぜ私は創作がしたかったのか

 人間は幼少期に経験したことを一生忘れることはない。そこでどんな影響が受けたかで、将来は大きく変わる。それもただ経験すればいいだけではない。何度も”思い返すことができるか”が重要になってくる。

 私には幼少期のテレビ番組の記憶があまりない。そもそも「お母さんといっしょ」を観ていた記憶がない。代わりに覚えているのは、「電光超人グリッドマン」をワクワクしながら観ていた記憶だ。グリッドマン自体のかっこよさよりも、サポートメカがロボットになるという設定や、グリッドマンと合体して更に強化するというギミックにテンションが上っていた。

 あとは「忍者戦隊カクレンジャー」だろう。そもそも戦隊モノというのにどっぷりハマっていた気がしている。そしてどうしても自分だけのヒーローを生み出したかった四歳くらいの私が考えたのが、一番古い脳内創作物「回転戦隊ドリルレンジャー」だ。

 五人のヒーローはそれぞれドリルレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクだった。各個人にドリルを模した武器が与えられている。名乗りももちろん考えて実践していた。「回転戦隊!」と叫びながらぐるぐるとドリルを模して回るのだ。そして止まって「ドリルレンジャー!」とポーズを取るのだが、三半規管が弱い私はいつもそのタイミングで目を回していた。当時の親はあれをどういう目で見ていたのだろう。

 これが私が覚えている限り最古の創作である。私は戦隊になりたかったのではなく、物語を作りたかったのだろう。今でも当時のことは思い出せる。必死で考えていたのだろう。

 それから今まで私は脳内で様々な物語や設定を考えてきた。学校からの帰り道や眠れないときなど、常に考えていた。そして周りの人間も、同様に物語を頭で考えているのだろうと思っていた。

 でもどうやら違うみたいだ。そんな私は創作を仕事にしたくて日々奮闘している。

 いつか私の「回転戦隊ドリルレンジャー」に日の目を見せてやりたい。もちろんロボはドリル型のメカが五体合体したものだ。

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