【連載】お人好しのキツネ その7【短編童話】
しばらくすると、フクロウがコマドリとヘビとアライグマとクマを連れてきました。
コマドリはまだ泣いていました。アライグマは足の根っこが強く絡まっていたので、まだ怒っていました。
ヘビとクマは、バツの悪そうな顔をしています。
「さあ、みんな揃ったぞ。早く願いを叶えなさい」
「うん、わかった」
キツネはそう言って、どんぐりを一つ池に投げ込みました。
すると不思議なことに池が虹色に輝きました。
「お願いします。コマドリさんの声をもとに戻してください」
キツネがそう言うと、
「あら、声が戻ったわ!」
コマドリの嬉しそうな声が聞こえてきました。そしてラララと声高く歌いだしました。
池は再び白く濁りました。
「じゃあ、次はもう一個」
キツネはもう一つ池にどんぐりを投げ込みました。
また不思議な事に池が虹色に輝きました。
「お願いします。アライグマくんの足の根っこを取ってください」
キツネがそう言うと、
「あっ、根っこが取れたぞ!」
アライグマのホッとした声が聞こえてきました。
湖面は再び白く濁りました。
「キツネくん、ありがとう!」
みんなが口々にキツネに感謝を述べます。そしてヘビはコマドリに、クマはアライグマに申し訳なかった、と声をかけました。
その様子を見ながら、フクロウは静かに告げました。
「さて、最後にもう一つ願いを叶えよう」
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