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なぜ私は深夜に映画館に映画を観に行くのか

 先日新宿を東口を出て南口に歩いていると、途中にある新宿シネマカリテの上映中の映画で面白そうな映画を見つけた。見た瞬間に「観よう」と心に決めさせるような、B級ホラー好きにはたまらないポスターだった。

 時計を確認すると20時近く。しかしシネマカリテの上映は14時30分に終わってしまっていた。悩んだ私は他の劇場での公開を確認したところ、渋谷のヒューマントラストシネマなら21時40分から上映しているらしい。私は結局渋谷のネカフェで時間を潰し、21時40分からの上映を楽しんだ。

 ちなみに観た映画はこれだ。一切事前情報なしに観たが、個人的には面白かった。他人に勧めたい。

『真・事故物件/本当に怖い住民たち』https://shin-jiko.com/

 ここで映画のレビューをする気はさらさらない。問題はなぜ私が別日にせず当日にこの映画をみたか、である。21時40分開始だと、上映終了は23時を過ぎる。終電やらそういった心配が出てきてもおかしくない状況をなぜ選んだのか。

 眠る時間を削って前情報が一切ないホラー映画を1900円も払って観る。一見馬鹿げた行動に、私は歓びを感じていた。自分は今生きている、と感じることができたのだ。時間を賭けて、満足感を得る。これはもはやギャンブルだ。

 もう一つは、やはり時間を無駄にしたかったのだろう。以前も述べたが、時間を無駄にすることは余裕があることの裏返しである。その行動をして、自分に余裕があることを納得したかったのだろう。本当は帰って早く寝たり、仕事の残りをやっつけたりするべきだったのだろうが、そんなのはクソくらえである。そんなものに縛られるような余裕を残っていないのだ。

 結果的に私は終電を乗り過ごし、タクシーで大金を払って帰った。1900円の映画チケットは四倍以上の値段になることになったのだが、それ以上のものを手に入れられたのだと思う。

 自分には余裕があるという自負が一つ。それと、面白いのか面白くないのかわからない映画を観て、自分で「面白かった」と判断することができたことである。

 

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