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身勝手な願い

ペットと高齢者の問題はよくある話ですが、先日、我が家で保護している、3本脚の猫さんをお世話していた方から電話がありました。
この前の電話の時は、野菜やスイカを頂いてすごく嬉しかったんですが、今回はちょっと違った事のようで…
聞いてみると、

「あのねー、3本脚の子の手術費用をカンパしてくれた〇〇さんが、子猫いないか?って言うんだけど、居る?」

との事。

「居るけれど、その〇〇さんて、ご高齢でしたよね?それに、ワンちゃん飼ってますよね?
あと、外にちるチビちゃん(不妊去勢をして、13年くらい面倒を見ている子)も居るのに〜」

「歳はねぇ78歳。犬はまだ若いのよ、ペットショップで買ってきたのね。チビは、犬とは仲は悪くないんだけど、昔より日中家に居づらくなったのか、あまり来なくなって、今はうちの周りにいるもんね。寝る時は〇〇さんの所に行ってはいるみたいだけど。そうだよねぇ、チビちゃんそんな仔猫とか居たら帰れなくなるよね。」

「そうですよ!それに、犬のお世話だって大変なのに、なぜ子猫なんですか?」

「そうなのよね、だから何かあったらお金は残すから、後を頼む形で飼えないかなって言うのよ。」

「え?後を頼む?て?だれの事ですか?」

「…私?」

「そう」

「!」

なんて自己中なお爺様なんでしょう。

お金さえ残していれば、解決する事なわけないでしょうが!しかも、日中は出かける事が多いと聞くし、外猫を何時でも出入り自由にしてる所に仔猫なんて行ったら、脱走させて終わりです。無理。考えるまでもなく無理です。

年齢を重ねても、動物と共にありたいと言う願いは理解できます。それが長年連れ添っている家族だったら、尚更。そのような慎ましやかな願いを叶えられるような社会のシステムができあがればな、と思います。
私の周りにも、70代で猫を数匹飼ってらっしゃる方は何人かいますが、保護活動をされていた方というのもあるし、保護している子は、地域猫引退の子なので、ある程度見通しは立ちます…、一方自分が飼いたいからという欲望で仔猫にこだわる爺さん。
お金残してくれるとしても、健康な時期の猫と暮らす事だけを味わって、自分が先に逝ったら後はよろしくって、身勝手にも程があると思うのですが。
私もさすがに呆れてしまって、〇〇さんに丁重にお断りする様、お伝えしました。

「そうよね、言っとく。 
それにね、前私もパーマやに言ったらさ、老猫飼ってる人が仔猫飼いたいっていってて、あなた歳なんだからやめときなって言ったのよ。老猫も可哀想じゃない。そしたらさ、ペットショップで買うからなんて言ってたわ。」

これが現実なのです。
減らないペットショップの原因の一つ、かも。

歯止めが効かないのが年齢によるものなのか、人間性なのかよくわかりませんが、そう言う方が一定数必ず現れる事は確かなようです。
前は、お元気なので80代と言っても10歳くらい若く見える方でしたが、ペットショップから犬2匹を買って、その時は遠方の娘さんが激怒し、里親さんを探してもらったと言う事も聞きました。

ペットショップやそう言った人間側に自主的な改善を求めるのはたぶん難しいと思うので、社会や周りから変えてゆくしか無さそうですよね。

人の欲で動物が傷付かず、双方幸せにできる方法は無いものかと、考えた出来事でした。

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