1週間ホームレス日記2日目

＊フィクションだと思って読んでいただければ幸いです。

カプセルイン大阪

　目が覚めると、韓国、中国、日本語が耳に入ってきた。スマホを見ると9時半ごろで、僕の寝ていた床の周りのベンチには多くの人がいた。疲労からか完全に起き上がることはできない。今日も関空に泊まろうとしていた昨日までの自分を責めたい。即座にスマホで安宿を探した。
カプセルイン大阪は15時チェックイン、夕食付き、サウナ、風呂入り放題、全国旅行支援2000円クーポンももらえ、5000円ほどであった。家に帰り自炊をするというコマンドがない私には好条件だ。寝袋と断熱マットを撤収し、国際線ロビーから逃げるように立ち去った。

　南海に乗りとりあえず難波まで来たものの、15時のチェックインまでは5時間ある。平日朝の難波においても無精髭、よれよれの服、手にサイドバック、脇に断熱マットの私は異質であるように感じた。吉野家で390円の朝食を食べ、快活クラブに逃げ込んだ。

　島耕作シリーズを読み耽っていると時刻は14時になっていたので、宿に向かう事にした。途中薬局で髭剃りとデオドラントを買った。自分では気にならなかったが、都会にいると自分がかなりの異臭であるように感じたからだ。

　宿は1、2階に入浴施設があり、3階より上が宿泊施設といった感じで、バブル時代の雰囲気を色濃く残した内装であった。日本初のカプセルホテルらしい。浴場で体を椅子に腰掛けゆっくり洗い、風呂とサウナ、水風呂、外気浴×4セットを行った。ここのサウナは頭がくらくらするほど暑く気持ちがよかった。剃ろうと思っていた髭は愛着が湧いてきたため、整えて終わった。

　2㎤の直方体の中は私が安心して眠るためには十分な広さであった。ここで合宿中には意識することがなった、自分に対して意識が向くようになった。自分はどう生きるべきか?今までの行動は正しかったのか?そんなしょうもない事を考えていると寝落ちしていた。