HAYAOKI

読んだ後歌を聞いてみてね

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月明かりは知っている

「「かんぱーーい!!!」」 「佐伯さん、お疲れ様でした!」 「いやぁすいません僕なんかのために。  こんな盛大な。」 「佐伯さんほんとに帰っちゃうんですか?!  俺寂しいです!!!」 「離れろ馬渕(笑)」 「でも佐伯さんいなくなるの  本当に寂しいです」 「ねぇー、5年とかあっという間だった」 「5年間の単身赴任でみんなに気に入られたら  永住できる。みたいなシステム  ないんですかねー?」 「ないだろ(笑)むしろ帰ったら  出世だもんな?」 「いやー、勘弁

    • 見上げる恋

      「ほんとイケメンだよなー!」 戸棚の荷物をとったら叫ばれた。 「ぁあ、、はは。はい、どうぞ」 「ありがとうございます!!!  ほんとに素敵です!!」 小さくてかわいい後輩がキラキラした瞳で こちらを見ていた。 「あー、ありがとう。」 「なんだよお前ばっかりずりー!」 いや、ずるいもなにも 「バカ、でかい声出してないで働け。  だいたいお前男だろ。お前がとれよ。」 「いって!やめてくださいよ店長!」 「大丈夫?重かったでしょ?」 「あっ大丈夫です!全然、、はい

      • 家、くる?

        「えっまだ付き合ってないの?!」 「ちょ!しー!!」 「おーーい!口より手動かせよー!  開店時間すぐだぞー!」 「「すいませんでしたー!」」 「声でかいよ」 「いやだって!え!俺てっきりもう  付き合ってるんだと思ってたわ」 箸立てに箸を補充しながら質問攻めにあう。 「だってこの前もご飯行ってなかった?!」 「行った」 「ん?なんならこの前友達と  この店来てなかった?」 「来てた。焼き鳥もりもり食ってた」 「内緒できたん?」 「いや、友達と行くね!って連絡きた」 「え

        • おそろい

          「おっ、おつかれ〜」 さっきまで暑さと眠さでぼーっとしてたのに 一気に目が覚めた。 「授業終わった?」 「うんー、めーーーーっちゃ眠かった」 「そんな顔してるわ、ほら」 顔に当てられた冷たい缶でさらに目が覚めた。 「あー!好きなやつ!ありがとう!」 ジュースを受け取ってお礼を言うと 「ん」とだけ言って前髪を触りながら あっちを向いた。 (あっ照れてる) 私だけが知ってる大好きな彼の癖。 「今日なにするー?」 「んーまぁとりあえず帰るかー」 「うち来る?そっち行こうか?」 「

        月明かりは知っている

          パセリ

          「また喧嘩?」 そう聞くと小さくうなずく彼女。 口を尖らせてなにか言いたそうな顔をしている。 「だって聞いてよ!わたしは 「まぁとりあえず。暑いし中入るか」 長くなりそうな話を遮って涼しい店内に案内する。 「おっかき氷あんじゃん〜」 ちらっと彼女を見ると小さな手を机につけて 「奢らせて頂きます」 と三つ指をついていた。 この気温の中午前中ずっとグラウンドでボールを追いかけていた体には冷たい氷が気持ちいい。 「んんー、、頭いた、、、で?どしたの?」 相変わらず彼女の口は尖ったま