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『東京都パートナーシップ宣誓制度』いよいよ、はじまります!ご準備を!

2022年10月11日(火)14時〜 申請受付スタート
2022年11月1日(火) 〜 証明書発行・制度運用スタート!

東京都総務局人権部より公表された東京都パートナーシップ宣誓制度の詳細について、またそれに併せまして、弊会として現時点でお伝えしたいことをまとめましたので、以下皆様にぜひご一読いただき、知ること・自分なりの考えをもつこと・情報を広げることで、ご協力をいただけましたら幸いです。

東京都総務局人権部から詳細が公表されました

●東京都パートナーシップ宣誓制度について
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/10jinken/sesaku/sonchou/partnership.html

●東京都パートナーシップ宣誓制度 ご利用の手引き:
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/10jinken/page/partnership01.html

●東京都パートナーシップ宣誓制度 事業者等の皆様へ:
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/10jinken/page/partnership02.html

●受理証明書の活用先一覧:
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/10jinken/base/upload/item/040928list.pdf

●東京都広報 PR動画
「たかみなのTOKYO知りたいコト!」の第一弾として
「東京都パートナーシップ宣誓制度」をテーマにしたものが公開されました。「ダイバーシティ」からさらに「インクルーシブシティ」をめざす東京、たかみなさんも自分ゴトとして考えお話ししています。
本編: https://tokyodouga.jp/ns83nnsffwk.html
メイキング:

●制度運用開始に合わせて都庁&レインボーブリッジのレインボーカラーライトアップ実施!
10月11日(火)と11月1日(火)の18時〜23時🌈

都民広場から見上げた写真。都民広場は出入り自由です。(座り込み、飲酒飲食、長時間に及ぶ居座りやモデル撮影会などは禁止されていますのでお気をつけください)
都庁南展望室は22時(入室は21:30)まで営業しています。
おなじみレインボーブリッジもレインボーに輝きます。


東京都パートナーシップ宣誓制度スタートにあたりお伝えしたいこと

①東京都パートナーシップ宣誓制度に期待すること:

●都職員の福利厚生や都の各サービスにおいて、パートナー/ファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されること

都職員、また都事業の各制度やサービスの「配偶者(事実婚を含む)」が対象のものに「パートナーシップ関係の相手方」も追加される見込みです。(国の法令などで規定される場合を除く)(現在会期中の都議会令和4年第3定例会に、11月1日の制度運用開始と同時に実行さるための各条例改正案が提出され議会審議されており、最終的に10月7日の本会議にて決議がなされます。)

事業所の福利厚生や各サービスにおいて、パートナー/ファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されること

民間事業所においても各制度やサービスにおいて、パートナー/ファミリー関係が認められないケースがまだまだ沢山あります。人生のパートナー/ファミリーとして尊重され、差別的対応や困難が可能な限りなくなるよう、制度やサービスの対象拡大をお願い致します。

=パートナーシップ制度導入を機に困難解消を目指す代表的な事柄についてより具体的に以下記載致します=

○あらゆる事業所の福利厚生や規則において、パートナー/ファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されること

制度申請の対象者は、自身またはパートナーが性的マイノリティの方で「東京都在住・在勤・在学の方を対象」としています。東京都内に住所を置く事業所に勤める方が福利厚生や規則などに関して、また、都内事業所で提供されるサービスにおいて、パートナー/ファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されるよう、取り組みを切にお願い申し上げます。(当事者が職場で/お客様としてカミングアウトをしていることは多くありません。当事者自ら声をあげるのを待たないでください。またアウティングが起こらない設計も必要です。積極的かつ丁寧な社内制度整備のご協力をお願い致します。)

●医療機関において、パートナー/ファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されること

医療機関でパートナー関係・ファミリー関係にある方に対して差別的な対応、尊厳を深く傷つけられることは残念ながら多く、そのことが1日でも早く解決することを願っています。これは婚姻の平等を待たず改善が期待されるものです。
書類の記入や医療行為への同意、面会を家族/親族に求める際、厚生労働省のガイドラインの解説では「家族等とは(中略)法的な意味での親族関係のみを意味せず、より広い範囲の人(親しい友人等)を含みます」と説明されています。これは性的マイノリティに限らず法的に家族関係でもうまくいっていない場合なども十分考えられることから本人の意思が尊重されることを優先するため、このようなガイドラインがすでにあります。
しかし医療機関現場では、いまだ、トラブルを避けるために法律上の親族に限ることも多く、2019年の時点で同性パートナーの同意を受け入れる医療機関は3割程度に留まるとの調査結果もあります。パートナーシップ制度の活用、そして委任状などを用意しておくことは大変有効です。
周知促進の働きかけ、取り組みを切にお願い申し上げます。

●住宅の契約において、パートナー/ファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されること

同性カップルが賃貸住宅入居で断られてしまうこと、住宅購入の際に共同ローンが組めないことなども、いまだたくさん起こっています。これは婚姻しているカップルか婚姻していないカップルか、ということに相当する性的マイノリティカップルの判断をしたい貸主にとって難しいこともひとつの原因となっていると考えられます。これは制度利用によって解消が期待されます。また性的マイノリティのカップルへの差別偏見から判断されることも考えられます。差別偏見から起こる言動や判断は、さらに差別偏見を生むことにつながりかねませんので正しい知識を持ち、正しく判断することが大切です。人生のパートナー/ファミリーとして尊重され、差別的対応や困難が可能な限りなくなるよう、周知促進の働きかけ、取り組みを切にお願い申し上げます。

●子どもの通う保育園、学校、病院などにおいて、性的マイノリティの方を含むファミリー関係がきちんと想定され、差別がなくなり尊重されること

ファミリーに関しては、想定もされていない場合がほとんどで、あるゆる場面で説明/説得が求められたり対応をことわられるケースも発生しています。また、親としてや子どもとして欠けている・かわいそう、そして血がつながっていなければ親子として認められないという意識、差別がある、と感じる方が多くいます。これらが解消されること、病状の説明や送り迎えがスムーズになること、また、子どもが学校などで家の話を隠したり偽らずに周囲の人にでき差別のない環境で過ごせるようになること、などが期待されます。ファミリーについては、特に、当人たちが声をあげることが難しいため、社会としてのアップデートが強く求められています。当事者ではない方々も自分達の関係している施設が対応をどうしているのか確認し、なんらかの規定やガイドライン、ルールづくりをすることで、対応したいのに断らざるを得ない場合も含め、状況の改善がなされることを大きく期待しています。この点につきましても、ご協力をどうぞお願い申し上げます。

●ほか、パートナー/ファミリー関係が人々の意識の中でも、制度や規則、ガイドラインなどにおいても、想定をされ、差別がなくなり、尊重されることで、生きづらさが軽減されること、また、性的マイノリティであってもパートナーやファミリーと歩む未来が描きやすくなることを願っています。


②パートナーシップ制度で解決されない課題もあります:

東京都パートナーシップ宣誓制度は法律上の効果をもたらすものではなく、婚姻関係と平等な法的権利が守られるようになるわけではありません。
(性自認・性的指向による差別は都条例により禁止されておりこれは裁判で争った場合には効力があるものです。また職場においては法律で性自認・性的指向に関するハラスメント・アウティング防止対策を講ずることが義務付けられています。)

制度が施行運用されても、相続、医療福祉、在留、福利厚生、親権、税制、住宅などの場面における不平等や困難がなくなるわけではありません。(法の下不平等な差別的取り扱いとなっていること自体が問題であるとも考えられています。)

詳しくはMarriage for All Japanさんの冊子にわかりやすく解説がまとめてあります。ぜひこちらもご覧ください。
https://www.marriageforall.jp/wp-content/uploads/2021/10/%E8%AD%B0%E5%93%A1%E7%94%A8%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88_Web1005.pdf


最後に

性的マイノリティカップル/ファミリーの過ごす日々は、落とし穴があちこちにある道を歩んでいるようなものみたいだと感じたことがあります。舗装された道があるにも関わらずそちらの道を歩く権利は与えられず、怪我をしても守ってもらえないことが多くあるために自分の身は自分で守りながら、パートナーや子どもも怪我をしないよう一緒に気をつけながら、そして次に通る人が怪我をしないように命を落とさないように、落とし穴をひとつひとつ埋めながら、歩んでいるような。そんなふうに感じたことがあります。

性自認や性的指向に関わらず、みんなが同じように、安心して、景色を楽しみながら、夢を目指しながら、手を取り合ったりしながら歩める、そんな東京都、そして日本じゅう、世界中がそうなることを心から願っています。そして少しずつ、そのような社会づくりが進んでいることをとても嬉しく思っています。


改めまして、この活動を応援しご尽力いただいているすべての方々に感謝申し上げますとともに、今後とも、応援、ご協力をお願い申し上げます。

東京都にパートナーシップ制度を求める会