アゲハチョウに憧れるモンシロチョウ

暖かい春がやってきました。

穏やかな太陽の光と爽やかな風を感じながら、
色とりどりのお花達が気持ちよさそうに揺られています。

おやっ、向こうからやってきたのは蝶々。
真っ白なモンシロチョウさんと色鮮やかなアゲハチョウさん!

二人で何かお話しをしているぞっ!

「アゲハチョウさんの羽は、青や黄色やオレンジや黒でとっても綺麗な羽ですね」

「ありがとう。あなたの羽だって真っ白で素敵よ」

「どうしたら、アゲハチョウさんみたいに色とりどりの羽になれるんだろう?」

モンシロチョウはそんなことを考えながら、大好きな花の蜜を吸うために、色とりどりのお花達の間を飛んで回りました。

するとどうでしょう、真っ白だった羽にお花達の花粉がついて色鮮やかな姿に大変身!

「やったー、僕もこんなに綺麗になれたんだ!」

とれも綺麗な羽を手に入れました。

しかし、時間が経つにつれて化粧は落ちてゆくもの。翌日の朝には元の真っ白な羽に戻っていました。

「はぁー、やっぱり僕は真っ白な羽のままなのか。でもいいんだ。また、綺麗な羽根にしてやるんだ」

そう言って、またお花の間を飛び回って、花粉の化粧で鮮やかな姿に変身しました。

その後、何日も同じことを繰り返したうちに、モンシロチョウさんは化粧に飽きてしまいました。

「あーぁ、やっぱり白い羽が一番だな。あれっ、羽についた色が落ちないぞ!」

そう。何度も何度も染まった羽は、真っ白な綺麗な羽には戻らなくなってしまったのでした。

その後、このモンシロチョウさんは白いお花の花粉を浴びて、自分の羽を白く染めているそうです。





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