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Cheesy&Padmaの山案内「北アルプス裏銀座縦走」

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2019年夏、北アルプスの裏銀座縦走に出かけてきました。コースは上の地図のとおり、新穂高温泉スタート→高瀬ダムゴールの3泊4日。1日10時間近く歩いてこなす、行動時間の長いハードな行程となりましたが、歩くたびに景色がどんどん変わり、北アルプス奥地の様々な山小屋を寄り歩くのは発見の連続でした。そして周囲の山にもっと行きたくなってしまうヤバい病にまんまと罹患して帰ってきたのでした・・・。
※地図の番号は以下各図の見出し番号です。

1. 鏡平までの道のり

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わさび平から鏡平までの道は、最初平坦な舗装路のためだらだら歩きがちでしたが、途中からいきなり雪渓が現れ、足を踏み抜くと危ない箇所もいくつか。鏡平が近くにつれて山奥感が増してきます。

2.鏡平山荘

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1泊目は鏡平山荘で。大変きれいな小屋で快適な宿泊でした。この夕方、実際には曇り空で、近くの鏡池に映る槍ヶ岳なんて1ミリも見えず、夜空も雲に覆われてこの図のような月光浴は楽しめなかったのですが、山小屋の夜のお楽しみはやっぱり星や月が眩しい漆黒の空。Cheesyたちはキャラクターの都合上何も着てませんが、実際には夏でもダウンを羽織っていても外は寒いので気をつけましょう。

3. 双六小屋

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双六岳の麓にある双六小屋。今回は宿泊ではなく、トイレを借りて小屋の前で休憩をするだけだったのですが、なんか居心地よくてうっかり長居してしまいがちです。そしてこの山を示す看板がまた旅心ならぬ山心を掻き立てます。ただここからの登り道はいきなり急になり、見上げるとちょっと絶望を感じます・・・。

4. 双六岳〜三俣蓮華岳の道

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ここの道は本当に好き。左右にわーーっと広い大地をまっすぐに進んでいくのが、物語の1シーンのようで、ホント日本にこんなところがあったんだーと思いながら歩いてます。前に来たときも白くガスっていて、今回もそうだったのですが、逆方向に歩くとまた雰囲気違う。とにかくいいんですわ。

5. 三俣山荘

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ここも毎回休憩させてもらっているだけの小屋。小屋の前にベンチがあって、鷲羽岳が後ろに見えているのがまたいい。この図の左上が食堂になっているのですが、ここでまったりコーヒー飲んだりしたい。何日あっても足りない。三俣蓮華岳からこの小屋への下りはかなり急な道だったのですが、急な道を下るということは、またそれ以上に登るということで。ここから鷲羽岳への登りもまたかなりどすこいな感じでした。まあ登りに来たんですけどね・・・。

6. 鷲羽池

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鷲羽岳を登りきる少し手前で、ふと見下ろすと、鷲羽池があります。山の上に水をたたえている場所を見つけると見とれてしまいます。冬はみっちり凍るんだろうな、夜はどんなだろうな、などと想像を膨らませながら。

7. 鷲羽岳

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北アルプスの人気者、イケメンの誉れ高い鷲羽岳。この図は三俣蓮華岳の下から眺めたところです。本当は、スカっと晴れていたならば、NHK BSの深夜の番組で流れているような山頂からの景色をお見せしたかったのですが・・・。いや、鷲が羽を広げているこの姿をくっきり見られただけでも十分です。山はいつでも一期一会。

8. 水晶岳

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2日目は鷲羽岳からワリモ岳を経て、水晶小屋に宿泊しました。そして朝、その昔は水晶がたくさん採れたという水晶岳へ。水晶は見つかりませんでしたが、岩に白雲母がたくさんひっついていました。ここらへんに来ると、以前読んだ「黒部の山賊(伊藤正一著)」のエピソードをいろいろと思い出します。もののけとか白骨死体とか。お世話になった小屋にもゆかりがあり、北アルプスに来る前には読み返したい一冊です。

9. 野口五郎岳から野口五郎小屋

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水晶岳から一度小屋に戻り、再び出発して一路野口五郎岳へ。この山、来たかったんですよー。というのも、登山を初めて間もないころ、アルプス? いえいえそんなめっそうもない、というド初心者のときに、アルプス深部にはたいそう魅力的な山があって、何日も歩いてやっとたどり着く山はたいそう素敵、たとえば野口五郎、黒部五郎・・・なーんて話を山の先輩によく聞かされていたのでした。何その五郎くんシリーズは! と興味を持ってから幾歳月。やっと、やっと来られた野口五郎岳はガスで真っ白でした・・・。でも、鷲羽あたりとはまた全然違う景観。土臭い男らしい雰囲気の場所でした。次は黒部五郎さんにも会いに行かねばな。

10. 裏銀座後半戦へ

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野口五郎小屋の自炊場にてお昼をいただきました。水晶小屋でもたせてもらったおにぎりと、同行の方が作ってくださったスープを。雨も降り出していたので、屋根があるところでのお昼はたいへんありがたかったです。小屋を超えると荒涼とした景色の大地が見え、それまでの緑と雪渓の世界から一変。しかし、植生が変わっていて、ここから先はコマクサや他の高山植物が花盛りでした。花の名前を覚えるのが非常に苦手な私はひとつひとつ説明できないのが残念ですが、花の美しさは存分に堪能。土と花の広がる世界なんてもう、下界では珍しいものになってしまいましたものね。

11. 烏帽子岳分岐

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烏帽子小屋へ向かう分岐箇所は、赤みがかった黄土色の土の上に紫と黄色の花が散りばめられていました。しばらく撮影会。このあと歩いて歩いて、烏帽子小屋へ到着。この日はここで宿泊でした。
烏帽子小屋周囲では、ここでしか見られないという、貴重な白いコマクサが咲いているところを教えてもらいました。

12. 烏帽子岳

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最後の日、烏帽子小屋を出発して烏帽子岳へ。あそこがピーク、と思って歩いていくとそこはニセエボシという偽ピーク。偽物を超えて、ずんずん歩いていき、ちょっと足場が危なげな岩場を登りきったところに、やっと頂上が! そしてふと遠くに目をやると、ご褒美のような虹が! なんということでしょう(ビフォーアフター)。
様々な景色を見せてくれた裏銀座もここまででおしまい。最後は日本三大急登のひとつに数えられる高瀬ダムへの道を下りました(登りじゃなくてよかったよ・・・)。また近い将来、お天気や季節の異なる山々に会いに訪れたいものです。ありがとうございました。

ご覧いただきありがとうごさいます。旅と登山と散歩の記録をコツコツと書き続けていきます。