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『気血水論③』〜血虚とは〜

血虚とは身体を栄養を供給し潤す血が不足している状態をいいます。
主な症状としては
皮膚がカサカサする/顔色が悪く艶がない/過小月経・月経遅れ/爪がもろく色がうすい/よく夢をみる・不眠/動悸・めまい/視力減退・目のかすみ
などがあります。

春は五臓の『肝(かん)』の季節ですね。
血を貯蔵する『肝』の血虚の場合、
眼精疲労/視力低下/まぶしさ/めまい/立ちくらみ/爪がもろく色がうすい/抜け毛/筋肉のけいれん・こむらがえり/ひきつり/生理不順
などがあります。
血の気が多いという言葉がありますが、漢方でいうと肝の昂りとも関連しています。更に「血(けつ)」が不足していることでストレスに対する耐性が低くなってしまい、ちょっとしたストレスでも「気」のめぐりが阻害され、イライラ、怒りっぽい、などの症状が出てしまいます。

血が不足してしまう主な原因は消化器(脾)の不調、病気の長患い、過労、出血などが挙げられます。女性の場合は月経や出産によって血を失いやすいので、男性と比較して血虚に陥りやすいといえます。
血は気から生まれ、血は気に変化もします。したがって、血虚の慢性化は次第に気虚(ききょ)、つまり気の不足を引き起こしてしまいます。このような状態を気血両虚(きけつりょうきょ)と呼びます。

血を補うおすすめの食材
赤い食べ物(赤みの肉やレバー、カツオ、人参)
黒い食べ物(黒米、黒ごま、黒きくらげ、レーズン、プルーン)

今月は私が大切にしている中村天風先生の言葉を2つご紹介します。

 ① 今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ。
 ② 怒る者よりも怒られる者のほうが気は楽だって。反対にいえば、怒られる者よりも怒る者のほうが苦しいんですよ。

彼は日本の実業家であり思想家、ヨガの第一人者です。
それゆえに、彼の名言からは悟りの境地が
見える言葉が多数あります。

春は陰(冬)から陽(春)に変化する"ゆらぎ"季節です。
さまざまな症状が心身に現れやすくなり、怒り、不安、緊張など感情をコントロールする自律神経のバランスが崩れやすくなります。
イライラ、ソワソワ、キーキーした方と接することがあったら、
「春だから肝の血が足りなくなってしまったのね」と見守り、上記の言葉を思い出してみてください。
イライラ、怒ってばかりいるとものすごく気・血を消耗しますのでとてももったいないです。

心を穏やかにして、正直、親切、愉快に生きようと日々心がけ、
人生をより良いものに変えてゆきましょう。

✳︎気血水とは、漢方で考える基本的な人体の構成成分です。
互いに助け合い、コントロールしあい、密接に関係しあいながら全身をめぐり、生理機能を営んでいます。質の良い気血水が身体を巡っていると健康とといえますが、足りなくなったり、滞ったりすると心身に不調が現れます。

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