海外留学必須アイテムは母子手帳だった!?

前回の記事「留学は目的ではなく目的達成のための手段」の終わりに、留学には予防接種が必要と書きました。
そう言えば具体的に何ショット追加接種したのだろう…?と気になったので、母子手帳を開いてみることにします。

なぜ母子手帳が必要なのか?

日本の母子保健指導が素晴らしく整った機能だということをご存じですか?途上国では日本の母子手帳が教科書として配られているほどです。妊婦検診の制度、補助、妊娠管理のシステム、産休育休制度、乳幼児の予防接種や検診システム…どれをとっても素晴らしい。こんなにも安全に管理された状態で妊娠出産期を過ごせるなんて日本の女性は本当に恵まれています。

さて。どうして海外留学に母子手帳が必要なのかと言うと…日本で生まれ育った私たちなら誰もが持っている母子手帳。これがそっくりそのまま予防接種の公式記録になるからです。
母子手帳にはいつ、どこで、どこのメーカーの、何のワクチンを、何回打ったのか?がしっかり記録されています。病院の印や接種券の半券、マメなお母さまなら副反応の記録まで書き残されているかもしれません。何の疑いもない正真正銘の一貫した予防接種記録。これって実はとても幸運で素晴らしいことなんですよ!日本政府よありがとう!

ビザの取得には予防接種記録の提出が必要です

なぜ海外留学に予防接種が必要なのかと言うと、理由は2つあります。
社会的な意義については省きます)
①ビザ申請に必要
②入学申請に必要
詳しく解説していきますね。

①多くのビザ(入国許可証)の申請にはimmunization form(予防接種証明書)の添付が必要です。
ビザには観光用、就労用、留学用など様々な種類がありますが、その種類によって求められる予防接種が違います。
(ちなみに私が当時取得したのは米国のJ-1ビザという1年間の留学に特化したものです)
留学生は一人暮らしをするケースが少なく、ホームステイや寮で集団生活をするケースが多いため、感染症を持ち込む訳には行きません。もちろん、自分が感染症をもらうことも避けたいですよね。現在は世界的パンデミックが起きている真っ最中なので、これは容易に想像できることと思います。
長期滞在のビザ申請には他にも成績証明書、残高証明書、健康診断書などが必要で、私が健康で勤勉で資金があり、相手国にとって害にならない存在であることを書面で証明しなければならない…という現実に、改めて国境を超えて入国する実感が湧いたことを覚えています。

ビザ申請に必須とされて追加接種したのが
・麻疹(はしか)
・おたふく
・風疹

の3種類です。

麻疹は1歳半で接種の記録がありましたが問答無用で追加接種
おたふくは小学生の時に罹患しましたが、その際受診した病院のカルテは過去5年分しか保管されていなかった為証明できず、追加接種となりました。

次に
②学校入校にあたり、州または学校から求められて(または求められるだろうと予め日本の留学斡旋機関が想定して)追加接種したのが
・ポリオ
・ジフテリアと破傷風の2種混合
・ツベルクリン反応チェックとX線撮影
(後述します)
です。

記録を遡ると
1998年の夏に渡米するにあたり同年の1月15日に
・ポリオ
・2種混合

1ヶ月あけて2月に打つはずが体調を崩して3月9日に
・おたふく

また1か月あけて4月7日に
・風疹

さらに1か月あけて5月7日に
・麻疹

トータルで4ヶ月かけて全ての接種を終えています。(これはアメリカ留学の例で、インド、ヨーロッパへ派遣された留学生はもう数本あったように記憶しています)

さらに、入国してすぐに現地のオリエンテーションでも何かをワンショット打ちました。スタッフにおじいちゃんドクターがいて、列になって順番に打ったので間違いありませんが、種類が分からず、母子手帳も持参していないのでもちろん記録もありません💦

さらにさらに余談ですが
私は短大で保育実習へ行く前にも
・風疹
を追加接種
しています。

夫(海運関係)も船の実習で海外へ行く際にやはり
・破傷風
・麻疹
などを追加接種
したそうです。

将来、留学する方、教育に携わる仕事、海外実習や出張が予想される進路を検討している方はくれぐれも【母子手帳】を失くされませんように!!
予防接種は期間をあけて打たなければならないものが多いこと、体調不良だと延期しなければならないことなどを考えると、追加接種だけでも何ヶ月もかかります。また渡航先によっては日本でスタンダードなワクチンばかりとは限らないため、日本のクリニックに常備がなく輸入を待つこともあります。渡航用の予防接種をよく扱っているクリニックがあるので、見つけておくと良いかもしれません。
今からでも接種記録を確認し、不足しているワクチンを接種しておくことも、留学への大切な準備です!

あまり知られていないことですが、実は日本は結核大国。全員BCGを接種しているためツベルクリン反応が陽性になり、潜在性結核感染と誤解される可能性があります。そのため結核に関しては追加で胸部レントゲンか血液検査の結果も添付しなければなりません。渡航する際にはそれらを学生本人がしっかり把握し、もしもの際に「日本ではツベルクリンテストをスキップして全員BCGを打ちます」「私はBCG接種を済ませています」と言えるように準備しておくことも大切です。

つい「日本は衛生的で私は健康!」などと思ってしまいますが、他国から見れば私たちも病原菌を撒き散らす保菌者であるというイメージを持たれていることもあるのです。

相手の国にお邪魔して勉強させてもらうのですから、くれぐれも感染症を持ち込んだりしないように気をつけなければなりませんね。


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