薬剤師をやっていて良かったと思えたこと
以前にも書きましたが、滑り止めで薬科大学に入学して卒業して国試受かって就職して…なんとなく薬剤師をやってきました。
なんとなく…だったし、それなりに面倒なこともあったけど、長い間仕事をしていて、いいこともたくさんありました。
どんな仕事でもやりがいがある。
やっていて達成感を得られて、良かったなあと思えれば、それで幸せです。
薬剤師をやっていて
「キマったゼ!!」と思ったのは
患者様の多剤投与(重複投与)、服用回数を減らした時。
患者様の複数科受診で、整形でNSAID(解熱鎮痛剤)のための胃薬処方、内科で胃薬もらう…という風景がありますが、医師に疑義照会して、どちらかの処方(その時の状況による)を削除してもらいますよね。これはよくあることです。
違うシーンもあります。
例えば、服用回数が分4(朝昼夕寝る前と1日4回服用すること。場合によっては食前食後で薬を飲み分けることもある)の処方を分2にして(朝夕とか朝寝る前など1日2回服用)服用回数減らした時。
在宅医療などで医師や看護師の方々から「最近傾眠(昼間寝ている)傾向があるのよね」「夕方の飲み残しが多いわ」「最近××(検査値)の数値が変わってきた」などなど…患者様一人一人に対して評価が出ます。
そこでみんなで知恵を出し合います。自分のチーム以外でかかっている病院に疑義照会をかけたりトレースレポート(患者様の様子や処方内容、服用傾向などを報告する書類)を書くのは薬剤師の仕事です。
それがキマった時、めっちゃ快感です。
あとは、病院や患者様からいただいた検査値で投与量が多かったことに気がつき、その場で疑義照会をかけることもありますね。あとは相互作用とか禁忌の問い合わせですかね…。
薬局なら腎機能で問い合わせすることが多いと思います。私は大した計算ができないのでネットにあるカリキュレーターを使いました。
その仕事で給料が増えるわけでもないし、誰かに褒められるわけでもないけれど「薬剤師やってて良かった」と思えるのです。達成感ですね。
あと…これは個人的なことです。
私は中学生の時に大学病院で歯列矯正をしていました。
治療が終わると、病院の薬局でイソジンガーグル®をいただくのですが、そこの薬剤師のお姉さんがとてもおしゃれな人でした。
髪型は当時流行っていたベリーショートでインパクトがありました。化粧は薄かったのかもしれませんが、切れ長の目、真っ白な顔色、ビビッドな赤いルージュ…すべてがとても鮮やかでした。
お薬をいただくときの説明も、わかりやすかったです(今思えば、イソジンガーグル®だけだから、決まりきった説明ですけどね)
「いいなあ…あのポジション。私もあんな大人になってみたい」
時が経ち、私が50歳になる前のことです。
私が矯正した病院と違うのですが、ある歯科大学病院の門前薬局で一年間派遣で働くことになったのです。
働き始めた時は何も意識していませんでしたが、ある患者様にイソジンガーグル®を10本ほど処方した時に
「私、夢を叶えたんだ」
と気がついたのです。
それと同時に「ゴールってこんなものかも」と。
実は十代の頃、もう一つ夢があったのですが、まだそれは叶えられていません。
残りの人生で叶うといいなあ。
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