【ユンゲ・フライハイト紙】請願書による要求:「ファシズム概念を濫用するのはおしまいにしよう」

2020年2月19日

ベルリン発: 作家や評論家やジャーナリストからなるグループが、ナチスやファシズムという概念を政治的な論争において、もはや使わないように要求した。「政治的な対向者をそのような属性によって非難することは、ホロコーストやナチスによるテロルを誤った歴史認識によって過小評価し、また私たちの民主主義を継続的に毀損するものである」、この連邦議会の全政党に向けての公的な請願書においては、こう述べられている。

その請願書によれば、公的な論争において個々の市民や政治家を「ファシスト」や「ナチス」と名づけることが、顕著に日常的な手段となっているという。「そのような名称によって、犯罪を犯したのでも計画し是認したのでもなく、現代における政治的問題について、その誹謗者とは違った意見をもった市民に烙印が押されることになるのである」。

「歴史忘却的で冷笑的である」
このような概念を使用することは「歴史忘却的で冷笑的である」。「ナチスによるユダヤ人迫害と、他の西洋諸国を模範とした難民政策の可能な改革についての今日の議論のあいだ」に連続性があるなどと主張する人は、ナチスの犯罪を過小評価して、犠牲者を嘲笑しているのである。「そんなことは金輪際やめなければならない!」

この嘆願書に署名をした人たちの中には、とりわけ作家のMonika Maron、かつてのドイツ民主共和国での公民権運動の提唱者Vera Lengsfeld、コラムニストのHenryk M. Broder、評論家のCora Stephan、ファンドマネージャーのMax Otte、俳優で芸人のUwe Steimleが含まれている。

テューリンゲンの州政府首相の選挙のあとのファシズムという非難
テューリンゲンの州政府首相に自由民主党の政治家トマス・ケメリヒが選出された後は、とりわけ左派の政治家たちが、ドイツのための選択肢の議員や、あるいは自由民主党やキリスト教民主同盟の何人かの議員をすら、ファシスト呼ばわりした。ケメリヒは、ドイツのための選択肢とキリスト教民主同盟と自由民主党の投票によって役職に選出されたのであるが、数日後に辞任することになったのだ。

落選した赤-赤-緑政府の内閣官房長官Benjamin-Immanuel Hoffは、ドイツのための選択肢をナチスの伝統のうちへ押しこめた。そして彼はケメリヒにこう文書を送ったのである。「あまたはそうして、ブッヘンヴァルト強制収容所やその他の場所において殺害された自由主義者や市民や左翼やさらに数百万の人々の恩恵をこうむって州政府首相になった人間として生きていかねばならないのでしょう」。

https://jungefreiheit.de/politik/deutschland/2020/petition-fordert-schluss-mit-dem-missbrauch-des-faschismus-begriffs/

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