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【パーマカルチャーデザイナー vol.3】Kira/Fumie Kawai

これはPawa Permaculture Design Course(以下、PDC)から誕生したパーマカルチャーデザイナーたちのリレーコラムです。

パーマカルチャーとは
人間にとって恒久的に持続可能な環境をつくりだすデザイン体系
(『都会からはじまる新しい生き方のデザイン』より)

地球の上でたのしく生きるためのくらしの工夫のこと
(『みんなのちきゅうカタログ』より)


#3 Kira/Fumie Kawai

穏やかな語り口調と相手の気持ちを尊重し共感の言葉選びから安心を伝えてくれるきらさん。

 NPO法人トランジション・ジャパンの理事からはじまるその活動は多岐にわたり、2018年、PDCの卒業制作でパーマカルチャーの考えをベースにした8つの資本(8 forms of capital)を扱う協同組合をつくりたいと一般社団法人カンパニアを創立。
2年たった今どんな想いをもって活動されているのか伺ってみました。

Q1.あなたについておしえてください

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©︎Kira/Fumie Kawai

いわゆるバブル世代です。

はじめての東京オリンピックと東海道新幹線が開通した年に生まれ、心理学を専攻した大学卒業の頃がバブル絶頂期。

あいにくその頃から派手で華やかなことにはとんと縁もなく興味も持たず過ごしました。とはいえ時代的価値観で、20〜30代は今とはかなりの別人だったんじゃないかと(笑)

40歳すぎるまでは、モーレツに働き続ける人生でした。

家族が早く亡くなり、引き継いでしまった大きな宿題=借金だらけの会社を相続してしまったためです。
責任を無事終えたとき、疲れきった心身を癒しつつこれからの人生何を大切に生きていきたいかを探す中で出会ったのが、イギリス発祥の市民運動=トランジション・タウンとそのベースとなる学問体系であるパーマカルチャーでした。

Q2.パーマカルチャーデザインコースを通して

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©︎Kira/Fumie Kawai

私にとってPAWAでのPDCは2度目のパーマカルチャーデザインコースでした。トランジション・タウンに出会った頃に神戸にあったパーマカルチャー関西でデザインコースを学びパーマカルチャーデザイナーになりました。

それから7年くらいが経って、その間に知り合った講師の海くんィルから、彼らの伝えるパーマカルチャーに直接触れたくて、PAWAのPDCを受講しました。カイルには、このPDCではじめて会いました。

講師の3人がスペシャルに魅力的なのもさることながら、どの期もそうだと思うのですが、いっしょに受講した同期たちがみんな多彩でユニークで年齢層も幅広くさまざまな地域と職種から集まっていて多様性に満ちた素敵な出会いに恵まれたことが大きな財産です。

また迎え入れてくださる卒業生有志のスタッフチームのあったかいこと。

毎回手作りでオーガニックで愛の溢れた美しくかつ美味しい食事とおやつが素晴らしすぎる。一人一人の状態に目配りしつつ、自分でできるまでそっと見守っていてくれる懐と心の広さは、今思い出しても涙出ます。

そして卒業課題でコミュニティの仕組みを考えるうち、経済や社会の仕組みをどうパーマカルチャーの視点でデザインし直すかを考えて悶々と書きなぐっていたら、後ろから海くんが「きらさんがしたいことは、海外のCOOPの仕組みに近いんじゃね?」とつぶやいて、それからモーレツに日本の協同組合法と海外の事例を調べまくり、結果今までの活動仲間7人で一般社団法人カンパニアをはじめるにいたりました。

PDCは、今現在の私の活動をリ・デザインした原点です。

Q3.あなたにとってパーマカルチャー って

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『8つの資本』
豊かさはお金だけじゃないよ、ということを可視化してくれたアイデア。
出典:Apple Seed Permaculture「8-forms-of-capital

翻訳:三栗 祐己(パーマカルチャー研究所
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©︎Compania / illustration:Wakana Kawamura

人生のすべての指針にしているベースです。

私は仕事の肩書を『ソーシャル・パーマカルチャーデザイナー』としています。

「最も困難な都会の真ん中で、パーマカルチャーを実践しよう」と一緒にカンパニアを作った仲間と話し合い、大好きだった藤野(神奈川県相模原市緑区)から東京都文京区に引っ越し会社とコミュニティを作り、そこで暮らして2年になります。

旅をすることも多いので、作物を作るのはプランターで薬味くらいしかできていませんが、自分自身の内側と暮らしの中に・人と人との関係性の間に・社会や政治、経済の仕組みの中に自然の循環の営みがあるか・相互作用的であるかどうか・風や水や空気、光、宇宙が感じられるかどうか・感じられないとしたら、どうリ・デザインすれば循環が起こせるか を考え、発言し、行動し続けています。

それはもちろん簡単ではないし、きっと目に見える結果としてはおそらくまだ何も為せていないでしょう。

でも今は森や食べ物・土や微生物のことは仲間たちに任せて、人の作ってしまった政治や経済・社会の仕組みそのものを、全生命とともに有機的に生きる仕組みにデザインし直すことに専念しています。

その根っこに握り続けている世界観が私にとってのパーマカルチャーです。

Q4.PDCで出会った中でバトンをつなぎたい人

幸代ちゃん
多彩で不思議で朗らかなひと。
左目を描いてもらったことが忘れられない。

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きら/河合 史惠
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#2 竹内頌くんからのバトンがつながったきらさん。

快く承諾して想いをこめて記事を書きあげてくれたとともにこのマガジンへのサポートも送ってくださいました。

人との出会いやつながりを大切にして人の喜びを一緒に喜びうけとめてくれるきらさんの在り方にとても勇気や希望をいただいています。

次回は#4 舟橋幸代ちゃんにバトンをつなぎます。
PDC中はみんなの左目を描き一人一人と対話する時間をとっていたゆきちゃん。彼女にとってPDCとはどんな場だったのか。お楽しみに。

2021/4/20 穀雨