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LUMIX G100とゆく|マイクロフォーサーズの楽しみを探る

 突然だが、わたしと夫の架け橋をしてくれたのは、写真だった。当時、ふたりともカメラ初心者で、一緒に学びながらの撮影は、とても楽しかった。
 毎週末、カメラを持ってあちこちへと出掛けた。気がつけば、会いたいがために撮影スポットを探している自分がいた。淡い淡い思い出である。

 使用しているマウントは違った。「同じマウントだったらレンズが共有できて良かったかもね」なんて言えば「確かに!でもレンズの取り合いになっちゃうかもね」と笑い合った。

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 あれから数年。
 同じ屋根の下で過ごす昼下がりのこと。

「ねえ、わたしカメラ借りてるじゃん?」
 そのカメラとは、LUMIX G100である。この度、Panasonic様よりお借りしているミラーレス一眼だ。
「今までG100でスナップばかり撮っていたけど、他にも撮ってみたくて。だからレンズ貸して!一緒に撮りに行こ!」
「おっけー!」
 彼が使っているのはマイクロフォーサーズ機。
 LUMIX G100もマイクロフォーサーズ機だ。

 マイクロフォーサーズシステムとは、ミラーレスカメラの共通規格のひとつで、2008年にPanasonicとOlympusによって策定されたものである。現在多くの賛同企業やサードパーティーからマイクロフォーサーズ用レンズが発売されている。

「どこ行きたい?」
「動物園行きたい」
「わかった!」

「どのレンズ使いたい?」と防湿庫を覗きこむ彼が、微笑ましかった。

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 やってきたのは日本平動物園。静岡市駿河区にある市立動物園である。わたしたちが初めて動物園で撮影したのも、ここ日本平だった。

 この日借りたレンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO。35mm判換算で24-200mm、高倍率ズームだ。望遠で動物を大きく切り取り、広角で動物を見る人々ごと写す。両方が出来るレンズを選択した。

 レンズを渡され、LUMIX G100に取り付けた時、思わず「軽ッ」と声が出た。
「え!高倍率ズームつけてもこんなに軽いんだ!?」
「そうそう、マイクロフォーサーズのレンズは小さくて軽いんだよ」
 ボディが345g、レンズが561g、合計で906g。フルサイズのミラーレス一眼を使っているわたしにとって、衝撃だった。感覚的に普段の半分ほどの重さだ。

 早速撮影していく。
 LUMIX G100の撮影で、スナップ以外は初めてだ。最初は感覚がつかめず、なかなか難しかった。しかし、慣れてくると楽しいものである。
 屋内撮影では、シャッタースピードを稼ぐため、ISO感度を上げて撮影した。ISO2000まで上げると、やや高感度ノイズが目立ったが、ISO1000程度では気にならない印象であった。さらに手ブレ補正のおかげで、ストレスなく撮影出来た。

レッサーパンダ
ゴマフアザラシ
ホッキョクグマ
ほっ。
アムールトラ
ガラス越しのライオンの瞳
ジャガー
ピューマ
夫婦で暮らしており、終始夫婦喧嘩をしていて可愛かった。
ミーアキャット
モモイロペリカン
オシドリの女の子
ツクシガモ
アジアゾウ
ふたりは1966年(推定)生まれと1969年生まれ。
大先輩である。

 この日は寒さも影響してか、いつもよりバッテリーの減りが早かった。

 公式の仕様表によると、静止画撮影可能枚数は、モニター時で約270枚、ファインダー時で約250枚とされている。省電力ファインダー撮影モードにすると、約900枚撮影可能とのことだ。
 実際にLUMIX G100を使ってみて、省電力モードにせずとも、約500~600枚は撮影可能だった。だいたいこれは、わたしの半日の撮影量に値する。お昼ごはんを食べながらUSB充電。丸1日撮影するときは、予備バッテリーかモバイルバッテリーを持っていたほうが安心だろう。

しろくまカレーと夫のカメラ
カピバラの温泉(ハッシュドビーフ)とフライドポテト

 動物園内のレストランで可愛いランチを食べた。夫が「黒豆食べて」と言うため、しろくまカレーの目と鼻をもらったら、のっぺらぼうになって、なんだかおかしくて笑ってしまった。
 夫婦になった今でも、動物園が好きだ。上手く撮れたら見せ合って、面白い動物がいたら飽きるまで見て、気がついたら日が暮れていて。全てを見ることが出来ず、閉園時間になってしまったことは一度や二度ではない。結局、この日も例外ではなかった。

 LUMIX G100とゆく日本平動物園。撮影終わりに腕も肩も疲れていない。マイクロフォーサーズの小さく軽いメリットを身体で感じた。

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 「ねえねえ、またレンズ貸して!」
 後日、わたしは再びお願いした。
 次に貸してもらったのは、M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro。花のマクロ撮影に挑戦だ。夫は、花選びにも付き合ってくれた。

 部屋の一角に背景布、三脚、スタンドライト1灯を設置した。

 花のマクロ撮影は、マニュアルフォーカスを使うことが主流である。LUMIX G100は撮影時モニターをタッチすると、その部分が拡大表示される。これにより、細かいピント合わせが容易になる。これが便利だった。

 マクロの世界に1枚ずつ向き合った。
 スナップは、光の加減や被写体の動きを予測しつつ、構図を一瞬でイメージし、シャッターを切る。一方、今わたしは、部屋の隅で目の前の花をよく観察し、熟考している。その真逆さは、自分の心を静寂へと導いてくれた。

 LUMIX G100とゆくマクロの世界。光により浮かび上がる輪郭、水滴の中に咲く花、肉眼で感じることが難しい世界が、そこにはあった。

ガーベラの向こうに。
ラナンキュラス

 写真の世界は広い。遠くのものをまるで手に届くかのように切り取れるし、花びらのみずみずしさを画面いっぱいにおさめることもできる。写真の世界は広いからこそ、面白い。

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 夫と静岡の街を散歩していた。わたしの片手には、LUMIX G100。
 夕刻の光が街と横顔を照らし、長い影を伸ばす。

「レンズ、使わせてくれてありがとうね」
「いえいえ。G100とレンズどうだった?」
「軽いから1日中カメラ持っていても疲れにくいし、望遠でもマクロでも想像以上の撮影ができて楽しかったよ!G100、見た目は小さくて可愛いけど、結構パワフルなカメラだね」
「良かったねえ」

 "同じマウントだったらレンズが共有できて良かったかもね"
 遠い昔の言葉を思い出す。今回、このような形で実現できたことに縁を感じた。
 カメラメーカーの枠を越え、カメラとレンズを自由に組み合わせられる。これもマイクロフォーサーズの楽しみ方のひとつだろう。

 カメラの世界も広いからこそ、面白い。

 それでは、良い写真生活を。

※本noteの作例は、全て以下の機材を使用して、撮影しました。

■Camera:LUMIX G 100
■Lens:
・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
・M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

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