電源OFFの日曜日(午前の部)

ふと思い立って電化製品を使わない1日を過ごしてみました。
当日に書いたメモや、1日を振り返ってのことなどをまとめていきます。

そもそもなんでそんなことを?

好奇心です。
元々は、「朝日と共に目覚め、日が沈んだら眠りにつく」という生活がどんなものか体感してみたかったから。夜も部屋中が明るい暮らしって、たかだかこの100年くらいのものですし。
電灯は無しで、バックライトが搭載されているパソコンやスマートフォンも使わないようにして……。いやもういっそ電気で動くもの全部縛ろう、という経緯で決めました。

ルール

好奇心を満たすことが主目的で、苦行をしたいわけではないので、ルールは下記の通りゆるゆるです。

  • 緊急事態(ケガなど)が発生したら即ストップ

  • 水道・ガスは普段通りに使う

  • 買い物や外出もしてよい。ただし、「コンビニ弁当をレンジで温める」のように、主体的に電気を使いにいくのはダメ

  • 冷蔵庫の電源は切らない。でも扉も開けない

  • 記録のため、時計は適宜見る

当日の記録(2024年5月12日 9:24~11:46)

実行したのは2024年5月12日 日曜日です。日が長くなってきて活動時間が確保できそうなこと、冷暖房を使わなくても快適に過ごせる気候であることなど、なかなか良いタイミングだったと思います。
以下、当日のメモをもとに、電源OFFの1日を振り返ってみます。

天気:薄曇り
9:24 起床 休日だしアラームも無いし、でぐっすり寝ました。カーテンを開けるともう明るかったです。

トイレ
真っ暗でした。ほんの少しだけ扉を開けたままにして用を足します。……一人暮らしだし、良いかと思って。
日光が 窓→居室→廊下→トイレのドアの隙間 という旅を経てくれたおかげで、物の位置がわかる程度には明るくなりました。
座った瞬間、暖房便座にしたままだったと気付き、オフに。もう暖かいですし、もう切りっぱなしでいいかもしれません。

ここでさすがに灯りの必要性を感じ、部屋にあった蝋燭に火を点けます。封蝋を融かすのに使っていたもの。
指の爪ほどの大きさの火でも、はっきり明るくなったと分かる存在感です。

シャワー 
タオルや着替えの準備のためにウォークインクローゼットを開けると、センサー式の電灯が点きました。設定をいじる方法も分からないので、しょうがないと開き直ることに。
蝋燭を持って浴室まで。吐息や動きに、炎が揺れてひゅうっと小さくなります。風前の灯。
バスタブの奥側のふちに蝋燭を置き、水がかからないかヒヤヒヤしながらシャワーを浴びます。給湯器のパネルリモコンがデジタル数字で水温を示していますが、そんなもの見なければ点いていないのと一緒です。
感覚的にはトイレと同じくらいの薄暗さ。ただ、意外と支障はありませんでした。お湯の温度を確かめたり、石鹸を泡立てたり、体を洗ったり流したり、濡れた所をタオルで拭いたり。入浴って、すごく触覚的な行為なんですね。

最近SNSで「風呂キャンセル界隈」という言葉を目にしましたが、お風呂に入るのが面倒、入れない、入りたくない、と思う背景には、こうした触覚刺激に疲れてしまうという理由もあるのかもしれません。温度変化を伴う全身への皮膚刺激とか、濡れることに対する本能的な忌避感とか。湯船に浸かる場合には水圧に取り巻かれることにもなりますし。

と、諸々に思いを馳せながらシャワーを終えます。うっかり洗面所の電気を点けてしまい、急いで消しました。
ここで、髪を乾かせないことに気付きます。本日1回目のピンチです。ドライヤーが使えないので、タオルドライの後は自然乾燥に任せるしか。道理で昔の洗髪の頻度が数日〜数ヵ月に1回になるわけです。私はショートヘアなのでまだ乾きやすいと思いますが、ロングだとどれだけ時間がかかることやら……。
ひとまずフェイスタオルを頭に巻いて、水分の吸収を図ります。

それと換気扇も回せません。せめて湿気が飛ぶように、お風呂場の扉は開けておきました。

朝食
牛乳を買いに行こうかとも考えていたのですが、濡れた髪のまま外に出るのもためらわれ、カフェオレパウダーをカップにあけます。持っているコーヒーケトルが直火対応で助かりました。
そのままでおいしいスティックパンをかじり、ベースブレッドのミニ食パン(プレーン)をフライパンで焼き……。マーガリンは本日不可侵の冷蔵庫の中なので、何も付けずに食べます。悪くないです。

自由時間
明るさを求めて、自然に窓辺へと引き寄せられます。
髪はまだしっとりしていますが、乾きが早くなることを期待してタオルを取りました。うっすらと雲が覆う空模様で、私の髪をサラッサラに乾かしてやろうという気概は感じ取れません。

窓辺に射し込む陽だけでも、漫画を読むには十分な明るさ。ということで、「ゴールデンカムイ」を再読しました。紙の単行本で全巻そろえているので、電源OFFの日でも読み放題です。
馬橇のシーン、格好良かった……! と実写版のシーンも思い出しつつ。
「ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化」を読んだ後でもあったので、描かれている物や背景にも、より一層目が引き付けられるのがわかりました。
シャチの竜田揚げに食欲をそそられたところで、昼食を考えるのにほどよい時間になりました。

午後の出来事については、また次回にレポートします。
お読みいただき、ありがとうございました。

おまけ:「電源OFFの1日」を過ごすきっかけになったかもしれない本


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