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5.東京に来て、芸人辞めた。

2017年5月、芸歴9年目。

活動拠点が東京に移った。

【東京進出】と言うと、聞こえは良いが、
僕らのそれは決して華々しい前進という訳では無かった。相方は違うかもしれないけれど、少なくとも僕はそう感じていた。

たったこれだけの文章だが、自分で書いて、見て、改めて良いコンビ仲では無かったと感じる。

細かな経緯は省略させてもらうが、

2010年5月、芸歴2年目でコンビ結成。

2013年9月、芸歴5年目に解散。

2014年4月、再結成。

2018年4月、私の引退により解散。結婚。

幾度となくチャンスはあった。

最初の頃はそれを逃しても「また次!」と意気込めたが、逃し続ける内に、いつの間にかその原因を相手に求めるようになっていた。

そして、気づいた頃にはコンビ仲は最悪だった。
コミュニケーションの欠片も無い。
更にはお互いを否定しあう関係性。

こんな状態で続けるぐらいなら、自信なんか無いけどこの環境を飛び出さねばと、最初の解散。

ピンで舞台に立ち、あまりの無力っぷり滑りっぷりに打ちひしがれる。

たった半年で、泣きつくように相方に助けを求める。

「ごめん、悪かった。もう一度やり直したい。」

それまでの積み重ねを捨ててでもと、コンビの不仲から逃げ出したはずが、今度はその積み重ねで得た過去の栄光に逃げ込んだ。

相方もよく申し出を受け入れてくれたものだと思う。
何度振り返っても自己否定の言葉しか思いつかない。

弱くてダサい。しかも圧倒的に。

だからこそ再結成直後の勢いで突っ走りたい!

そのつもりで関係性の再構築をしながら臨み、実際また多くのチャンスを頂けた。

だけど今回も一歩届かない。もう一つ前に進まない。

そして同じことを繰り返した。

同じ繰り返しになってることに苛立ちが止まらなかった。

関係性という面でいろんな本を読んだり、話を聞いたりして参考にしていたが、もういよいよダメかもこれは。。。

そんな時に東京への移籍が決まった。

環境が変わることは大きなチャンスだと思った。
売れるチャンスが広がる。

そして不思議な感覚なのだが、辞めるチャンスも。

東京に来る前に相方に、「これでダメならもう辞める」とは伝えていた。

そして、いざ東京での活動が始まると、

まぁーーーー、しっかりダメだった!!!

しっかり折られた!!!

「もう辞めたいと思ってる。」

2017年12月、相方に報告。

ブチ切れられる。まぁそらそうだ。

「ダメなら辞める」とは言ってたけど、約半年で言い出すとは、こんなに早いとは思わなかっただろう。

それから話し合いと平行してライブやオーディション等受けさせてもらいながら、

2018年4月、解散決定。

そして、僕のちょうど10年にわたった芸人人生も終わる事が決定した。

解散という答えを出した三軒茶屋の居酒屋からの帰り、

自分でもまるで予想だにしていなかったのだが、

めちゃくちゃ泣いた。

それはもう、うん、めちゃくちゃに(笑)

あー、こういう時泣くんや、って感じ。

泣いた分の水分を缶ハイボールで補いながら1時間程歩いて自宅に着いた。

気持ち良さそうに寝てる嫁を見ながら、もう何本目か分からなくなった缶ハイボールを飲み始めた。

余談であるが、三茶の居酒屋で解散が決まったまさにその瞬間、店のBGMで松山千春さんの『<a href="https://youtu.be/Sme1ilzs4dA">君を忘れない</a> 』 が流れ出した時は、こんなん流れるんかい!と笑いながらも泣きそうになり、あろうことか僕らを追うカメラが入ってくるんじゃないかと一瞬よぎった。

とてもとてもザックリとした芸人歴。

あくまで結婚パーティーに向かってる、と言う事でこの辺で。

またタイミングあれば、何か書くかも。。。

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