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プロフェッショナルの話

いつもながら母からの又聞き。
岐阜駅近くに、岐阜随一(もしかして東海地方でも有名?)な
台湾ラーメン屋がある。

そこの主人と父はかつて同僚として働いており、その縁もあり、
少し遠いけど件のラーメン屋へしばしば足を運ぶ。

普段はお昼の営業開始直後に、しばらく行列へ並んで食べるのだけど、その日はたまたま用事があって遅くなり、昼の営業終わり間際にお店へ入ったらしい。

お盆時期で人が上手いことはけたのか、父母が食べ終わる頃にはもうお客は自分たちだけ。そこへ主人が厨房から出て話しかけて来た。
「父くん久しぶりやなぁ、今日は人おらんし、時間空いてたら自分の家来てくれよ」

父は二つ返事でおぉーそうなんか、ほんならお邪魔するわ。というと
主人は満足そうに「ほんなら店しめるで、ちょっと待っとけ」と片づけに戻った。

お店の隣の敷地に、台湾ラーメン用の肉味噌工場があり、自宅を兼ねている。

工場も家もこだわって建てたとかで、是非見ていってほしいと前々から言われており、良い機会だということで突然のお宅訪問。

ここから母の談

男やもめの1人暮らしの家やでな?
寝床から台所からしっちゃかめっちゃかの超〜汚いに違いないと内心思ってたんやけどな、、それがびっくり。全然違うんやで〜

まず玄関な、入ると板間の床に顔が映るくらいピッカピカ!
おぉ〜と思ってリビング行くと、分厚い一枚板のテーブルと椅子。
雑誌が10冊ほど、棚に喫茶店の様に並んであって、趣味の乗り物模型が
幾つか本棚にディスプレイしてある。それもお店みたいに綺麗なんよ。

ほんで、リビングから寝室が続いとるんやけど、
そこを覗くと何も無い部屋にベッドと目覚まし用の時計だけがある。
それと地球儀。
それ以外にはマジで何も無いんや!
しかも全てが整っておる。ベッドメイキングも起きた直後にするらしいで?

ほんで、リビングから工場も繋がっとるんやが、わたしゃ感動した。

ステンレスの作業台には何もモノが無い。
光るように磨いてあって、肉味噌用の大鍋もコンロにあるんやけど、
使いこんどる感じするわー、ほうやのに、ピッカピカに磨いてあるんよ!
鍋底まで!

棚開けると、調味料が背の順!入れもんのサイズ順にきれーに並んどるんや!
まじやで?
とにかく全てが整っとる。使っとるけど磨かれて全てが清潔なんよ!
もうびっくり!わたしゃ感動した!

アイスケースくらいの大きさの業務用の大型冷凍庫が二つほど置いてあるが、
中は店頭やネット販売用に肉味噌ストックがギッシリと作ってある。

全て同じサイズのシールパウチに入って、同じ厚みにのされて、
カードのように行儀よく収納されていたらしい。
作業場の壁に社訓が掛けてあるが、これまたきっちり額に入って汚れひとつなく。

とにかく凄いんよ、長いこと飲食店で流行り続けてるワケがわかった。
納得しかないわ〜。

ここまでが母の談。

昔から同じラーメン屋へ行くので、私もご主人の顔は知ってたのですが、
勝手にめっちゃ家汚そうだと思ってました。誠にごめんなさい。

プロが自他共に認める、プロでありつづけるとはこういう事かと思った話でした。


あとがき

・常にネット店舗の肉味噌は品切れです。
 店舗で売れちゃうそうで、お店まで買いに来てくれたら買えるとの談。

・社訓が軽くやべーでござる。ここには書けない。けどスゴイ。

・台湾ラーメンは「味仙」という中華料理屋が元祖を主張しており、
 お店のHPもまた主張が強い。

・台湾ラーメンには辛さを抑えめにした「アメリカン」が存在する。


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