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My Gift Is A Providence and Also A Curse


フランスの音楽誌に載ったザ・ヴァインズのボーカル、クレイグ・ニコルズのインタビューをフランスのファンの子が英訳してくれている。
短いけど、クレイグ・ニコルズという人がどういう人物なのかよくあらわれている、その業の深さが強烈な印象を残す記事だとおもうので訳してみた。
そんな感じで下記のデータベースには仏誌の英訳もいくつかあるのでおすすめです。



R&F: 多くの人びとが、2001年がストロークスの年だったように、2002年はヴァインズの年になるだろうと認めています。このプレッシャーにあなたはどう対処していますか? 

クレイグ:ええと、プレッシャー…… ぼくたちに起こってることは最高だよ。バンドへの期待を怖れてはいないんだ。飛行機に乗るほうがずっと怖ろしいよ……(体を震わせる) ヴァインズをはじめる前に、ぼくはこの仕事のあらゆる面を注意深く検討したんだ。いい面も悪い面もあるけど、いい面が勝ってる。ぼくは素晴らしい仕事についているし、ぼくのスターたちのように曲を書いて生計を立てられることに毎日感謝してるんだよ。

R&F: メディアがあなたたちに注目するのは早すぎたんでしょうか。

クレイグ:ぼくたちは5年間一緒にやってきた。最初の頃、ぼくたちは怠け者だった、めちゃくちゃ怠け者だったんだ。ぼくは毎朝起きてリハーサルに行くためのモチベーションを上げなきゃならなかったけど、みんなが助けてくれたよ。ぼくはすぐに自分に音楽の才能があることに気づいた……唯一無二のね。天与の恩恵には、それを磨き抜く義務が生じる。この才能は天恵であり、呪いでもあるんだよ。ぼくはそれに抗えない(言い淀み、ほとんど泣き出しそうになる)。どうかしてしまいそうなんだ、ああ! 

R&F: あなたの音楽の才能が初めて明らかになったのはいつですか? 

クレイグ:自分の人生は芸術的な創作活動の舞台なんだとずっと気づいてた。創作活動をしていないと、思考があちこち彷徨いだしてコントロールできなくなってしまう。小さいころはずっと空想にふけって思い浮かぶものをなんでも描いて過ごしてたんだ。それから音楽…… かなり小さい頃から曲を作ってた。でもビートルズやキンクスやニルヴァーナの『ネヴァーマインド』に出会った時、とうとう自分のやりかたを見つけたとおもったんだよ。

R&F: あなたは音楽がなければ、大人の世界に社会的に適応できないと言っていましたが……

クレイグ:音楽以外に興味の持てるものが全然ないし、ぼくはかなりシャイなんだよ。学校は大嫌いだった。何もしないで毎日家で過ごすほうがよかったんだ。授業中、特に反抗的だったわけじゃないよ。でもいつもルールに従うのが苦手で、理解できなかったんだ。音楽のなかだけが自由を感じられる世界だった。うん、ぼくはぼくの世界を創ってるんだ、ちょっと(ぼくの一番のスターの)サルバドール・ダリみたいな感じにね。

R&F: 飛行機のほかに何か怖いものはありますか? 

クレイグ:時々、舞台恐怖症になるよ。うん、オーディエンスがぼくらを待ってるのはわかってるんだけど、でも体が固まってしまって身じろぎもできなくなっちゃうんだ。ショーで失敗したらとおもうと怖くてたまらなくて…… ほかにも通りを渡る時はいつも緊張してる。車に轢かれるのがすごく怖いんだ…… とにかく、車はぼくを脅かす。あんなもの、禁止するべきだよ。




Rock 'N' Folk: Je joue du rock schizophrène
Author: Jean-Vic Chapus
Date: August 1st, 2002

https://www.thevinesband.com/#/app/thevines/page/11oA7p8Xm


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