取材は愛
こんにちは。秋に限らずどんな季節も読書します。
ジャーナリズム論=ビジネス書?
まず、序章の10行を目で追ってハッとしました。
と、同時になんとなくじぶんの中でわかっていたことを証明されたようで清々しくなりました。
「取材は営業に似ているのだ。つまり、この本はビジネス書である」
食わず嫌いしないでよかった。
中途で営業職を選ばなかったらこんな気持ちを知らずにいました。
第1章から順に、著者相澤さんが数々の現場で取材をしたことについて語られています。上司からの叱責、同僚に追い抜かされたこと…など新米記者だった頃の振り返りから特ダネをつかんだこと、部下の指導、自身のメンタルヘルス、「森友学園問題」と退社まで259ページにわたって記してあります。
各章の終わりに、そのとき相澤さんが学んだことを短く「真実の探し方」としてまとめて伝えています。毎回、本書を読み返すことは大変だからせめて、この「真実の探し方」を「座右の銘」として覚えておきます。
期待から共感へ
そもそも本書を手にしたきっかけは、別の新書を探しているとき目に留まりました。帯に〈森友学園問題を暴いた記者によるジャーナリズム論〉とあり、「このひとが報じたのか」と前職の忙しかった頃を思い出しました。国家ぐるみの問題をつかむなんてどんな人なんだろうと期待を込めて買いました。
本文はじめの引用の言葉により、私の期待はむしろ共感に変わりました。
そして読みすすめていくうちに「だれでも失敗する」ものだと安心しました。記者も営業も結果が出ないと落ち込みますが、「やり続けていけばそのうち芽が出る(=特ダネをつかむ、成果が実る)」と相澤さんから教わりました。
営業は愛
今の仕事に就いて3年、相手(顧客)から情報を引き出すこと(ヒアリング)や信頼されることが「これは取材と同じなんだろうか」と疑問に感じていました。営業職として「数字を求められる」ことはいちばんツライですが、記者と営業がこんなにも似ているなんて思いませんでした。
最後に、当てはめたらものすごくリンクしましたので相澤さんの持論を引用させていただきます。「取材」「報道」を「営業」「顧客(企業先)」に変えると下記のようになりました。
「取材は愛」。
「取材も同じだろう。取材先を愛して、愛して、愛し抜いて話を聞き出す。取材先はどう思っているのか?何が大切なのか?取材先に配慮しながら報道するにはどうしたらいいのか?そういうことを真剣に考え抜いて取材する」
ならぬ
「営業は愛」。
「営業も同じだろう。顧客(企業先)を愛して、愛して、愛し抜いて話を聞き出す。顧客はどう思っているのか?何が大切なのか?顧客(企業先)に配慮しながら営業するにはどうしたらいいのか?そういうことを真剣に考え抜いて営業する」
この銘を忘れずに、明日から仕事に励んでいこうと思います。
本書を読み終えた現在、7年前、就活生だったじぶんに「どの企業でもいいから営業やれ!」と勧めてやりたいです(苦笑)。