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ドラマから見えた性の役割と家庭観、仕事観。

今日、5月5日は子どもの日。今週の日曜は5月8日、母の日。
家族について考える祝日の最中に、Netflixで『ヒヤマケンタロウの妊娠』を観終わって思ったことを綴ります。(ドラマの感想というより問題提起に近いものです。)

まず「男性妊娠」という突拍子もない題材だからではなく、このドラマが気になった本当の理由は、性の役割や家族・家庭の在り方について、仕事・キャリアとの向き合い方に関心があったからです。

2020年春から生活や仕事の様式(スタイル)がガラリと変わり、私の友人・知人も結婚報告や子どもの成長記録が盛んになりました。30歳手前になると世間のタイミングに合わせようと動き出すんですね、ほんとに。
私個人として、コロナ禍でますます出会いはなくなり、月収も減って自分自身の生活と将来のことが不安で、結婚や子どもについて考える隙もありません。なにせ、ひとり暮らしをする余裕すらないので。

劇中の亜季も、仕事に精一杯で生きています。フリーのライターだから余計に「この仕事が遅れたら食っていけない」感があります。ヒヤマが育児を手伝ってほしいと相談した際も、亜季は自身のキャリアアップを優先してシンガポール行きの話に乗っかりました。

そういう、仕事に生きる女性を親世代は冷ややかに見ています。亜季の母もやりたいことを手放して結婚と子育てに奮闘したと。その抑圧された生き方を30歳過ぎた子ども世代に頼み込んでも聞きやしません。もう、終わらせなければならない考え方なのです。

性や役割によって、やりたいことや仕事を犠牲にする必要はないとこのドラマが伝えたいことを受けとりました。ヒヤマが育休を取得することを女性社員に言った場面で、

子供ができてキャリアを中断するって、決して下方修正じゃないんだなって
だって人間的にはスキルアップしてるわけだから
この経験がいつか必ず 仕事に反映される日がくるって
『ヒヤマケンタロウの妊娠』シーズン1/8より

女性も男性もそうあるべきだなと思います。産休育休や時短勤務。企業よって異なりますが、様々な制度が用意されています。しかしそれを利用するのはその社員と家族です。周り、特に新入社員や30代以下の社員は自分ごとのように「この企業ならこういう制度を使って社内でキャリアアップしていける」と考えてほしいです。ロールモデルを自ら作り出す、旗振り役を買って出てほしいと思います。

ヒヤマが上のセリフを言ったあと「それ、カッコつけて言うほどのことじゃないよ?」と年配女性社員から鋭いツッコミが…。子育てしながら働く女性が増えているからこそ、もう、カッコつけていられない「働き方」だと思いました。



■Netflixドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』シーズン1①〜⑧