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はじめてのポートランド#2

前回までの話: ポートランドを選んだ背景と準備について書きました。

第2話 ようこそ、緑あふれる街へ

 お盆期間に入った月曜日。真夏の昼ちょっと前に自宅を出発して成田空港まで京成線(ローカル)ではじめて向かいました。これまで京成スカイライナーや新宿発の高速バスを使っていたので新鮮な気持ちでした。

 第1ターミナル南ウィングにあるタリーズコーヒーの横のソファに座って搭乗開始まで待ちます。なにか飲みたいなーと店先を眺めつつ、人が多かったりお腹がいっぱいだったりとタイミングが合いません。成田の時はいつもこんな感じ。この時も結局なにも飲まず16時過ぎに出国審査場にいきました。

 シアトル行きの近くにインド・デリー行きの搭乗口。頭にぐるぐる巻いた布をかぶった人が並んで次々と機内へ入っていきました。不思議な感覚がして少し面白かったです。リクライニングチェアから降りて私も搭乗の列に並びました。パスポートと飛行機のチケットをCAさんに渡しバーコードを読み取ってもらいますが…あれれ?赤いランプがついてしまいました。

「少々お待ちください」

 CAさんからそう言われて邪魔にならないよう窓の付近で待っていると、なんとビジネスクラスのチケットを渡されました。びっくりすぎてなにが起こったかわからず、機内の方に歩きました。途中、緑の立て看板(右側)の通路に入りそうになりました。

 座席に向かうと、エコノミークラス以上に毛布やスリッパなどが積まれていました。離陸前にウェルカムドリンクが運ばれました。スパークリングワインまたはオレンジジュースの2種類から選びます。夕食は和洋それぞれのコース。私は洋食を選びました。料理もサービスも素晴らしいと感激しました。 

アミューズ

▲ アミューズと、ANAオリジナルの香るかぼす(はちみつ入り)

メイン

▲ メインは魚料理を選びました

デザート

▲ デザートとコーヒー、チョコレートも

 朝食は、和食、洋食、コンチネンタルの3つから選べ、私はコンチネンタルを選びました。

コンチネンタル

▲ 生ハム、チーズ、フルーツ、小ぶりのパン2種類

プラグが2つあるヘットフォンによりエコノミークラスと比べて大迫力な音で映画や音楽を楽しみました。以下はムービー&ミュージックリストです。アメリカ行くのに邦画と邦楽ばっかり。あはは

映画
・『ラプンツェルのウェディング』
・『猫とじいちゃん』
・『ダンボ』(途中でやめてしまいました)
音楽
・スピッツ MV「優しいあの子」
・King & Prince 「シンデレラ・ガール」他
・阿部真央「阿部真央らいぶNo.8 〜10th Anniversary Special〜@日本武道館」

 目はつぶっていたものの、ほとんど寝られずシアトルに到着。そこからアラスカ航空のエアバスに乗り換えます。しかし、乗り換えの航空券は日本で発行できませんでした。シアトルの空港内にあるアラスカ航空のチケット発行機で入力するもエラーが発生。おかしいなーと思い、カウンターに並びました。アラスカ航空の職員がそのとき3人しかおらず、対応してもらえるか不安でしたが、無事にチケット発行の手続きができました。

 シアトルからポートランドまでの約30分間は熟睡タイム。9時間起きて30分寝るって効率悪いけど、映画も音楽も機内食もない空間だったからそれでよかったんだと思います。

カーペット

 ▲ 2015年に全面張り替えられた空港のカーペット。以前は青かったです。

 2時すぎ、ついにポートランド国際空港に到着しました。出口を探してキョロキョロしているとパイロットのおじさんが話しかけてきたり、交通案内のおばさんからダウンタウンへの行き方を教わりそうになったけど、私の行きたい方向を教えてもらったりしました。そのときの心情をノートにこう書いていました。

Seattleはちょっと冷たい感じだったからPortland来て親切だからビビった。

 そう、雰囲気が一気にローカル!東京の冷たい生活に浸っているせいなのか、はたまたシアトルから乗り継いできたばかりなのか、よくわかりませんが、人柄や空気感の違いがわかります。

 私はその親切なおばさんから公共交通機関のキャラクターシールをもらい、券売機で2時間半乗り放題の切符を購入。いざ、MAX Red Line に乗って出発です。途中、Gateway/NE 99th TC でMAX Blue (または MAX Green) のダウンタウン行きに乗り換えて Hollywood TC の駅で降りました。(ちょうど旅行期間とはまり、8月4日〜17日のあいだ、大規模工事のため行き先が変更になっていました。)

 先ほど道案内してくれたおばさんによると、この駅から75番のバスに乗ると SE Clinton St. に着くそうなんですが、なぜかバス乗り場と反対側に降りてしまったため気づかずそのまま住宅街の方向へ歩いてしまいました。道路沿いでバスが通っているなーと乗り放題切符の制限時間を気にしながら歩きましたが、制限時間があと30分と思ってもバス停はないし、本数少ないし…ということでガラガラ引っ張りながら宿がある通りを目指しました。

ローレルパーク

▲ 歩いている途中で見つけた公園。池の色がエメラルド!

 SE Belmont St. に突きあたると商店街のようにレストランなどが立ち並び、あーそろそろかなーと期待感を掻き立てられましたが、その後 SE Hawthorne Blvd. とまだまだ目的地につきませんでした。地図上には「15分」って鉛筆書きされていて事前に調べた時間配分と違ってちょっと残念。

 いくつものストリートと住宅街を抜けて、やっと Clinton St. に出てきました。…と言いつつ、宿の住所を見ても土地勘なく、またしてもストリート沿いをうろうろ。「んー、おかしいなー。住所の数字的にはこの辺なんだけどなー」とひとりでメモと格闘していると 家の窓から女性の声が聞こえてきました。

"You're lost?" (迷子ですか?)

 私がきょとんとしている間にその女性(大学生ぐらい)が裸足で目の前に立っていました。「裸足!」と指摘したくなっちゃうぐらい、アメリカに来たんだという感覚を肌で感じました。たぶんその感覚は、空港のトイレに入って足元が見えている銀の扉や便器の円形が日本のものよりひと回り大きいことと同じだと思いました。

 話を戻して、(英語で)「ここの住所のところに行きたいのですが…」と私が手に持っているメモ用紙を見せました。女性は番地を見てすぐ「ああ!あの辺ね」と案内してくれました。歩きながら、どこからきたの?とか、なんで来たの?とか、女性のいろいろな質問につたない英語で答えました。再びストリートに出て、道路を渡ったらもう目の前に宿がありました。古びた木製の門を開けて家のドアの前で女性に "Thank you" (ありがとう)と言って別れました。

 暗証番号を入力して宿に入るもしーん。ハローの挨拶をしても返してくれる人は誰もいませんでした。そのまま私はスーツケースをかかえて2階へ。階段を上がるとすぐ右手に「私の部屋」がありました。トイレとバス(共用)もすぐ隣に!やったー、ラッキー☆

部屋2

▲ 屋根裏ぽさに憧れてこの部屋をチョイス!朝日が登ると眩しい…

 タオルと、石鹸と、部屋のカギがあることを確認。あと、オーナーからのメッセージと注意事項をよく読んでからベッドに倒れ込みました。

 日本を出発してからおよそ24時間経ちましたが、日付と時刻はタイムスリップしたよう。外がオレンジ色に染まり、夕食にしようか、それともシャワーを浴びようか(家を出てから丸一日身体を洗っていないし、夜遅くなると他の宿泊者に迷惑をかけてしまうな)…と考えて先にシャワーを浴びました。

 キレイさっぱりになったら再び、ベッドに寝転びました。1時間ぐらいのあいだ寝ていたようでした。むっくり起き上がって、1階で水を飲みながらダイニングルームの辺りにポートランドに関連した雑誌が数冊置いてあったのでぺらぺらと眺めていました。水を飲み終えると、リビングルームのソファに座って宿泊した人たちが書き残していったノートを読みはじめました。私も今日の出来事を書き残そうとペンをとりました。それにしても、誰一人帰ってくる気配がありませんでした。

 じぶんの部屋に戻り、じぶんのノートにこう記した後、23:30に寝ました。

一人旅はいいけど、Bar とか入りづらいよね。あと部屋で淋しいなぁ

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□ 今回泊まったところ

 

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