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「時間は存在しない」カルロ・ロベッリ  なぜ若者はTwitterで時代のエッジ(最先端)にいることを確認しようとするのか

これまでいくつか量子力学について、まだまだ本質的なところは理解できていない、と主張してきたが、もちろん自分だけがそんなこと言ってるわけではなく、世界的な研究者も当然、力説している。例えば、WIREDのカルロ・ロベッリ(時間の再解釈:https://wired.jp/2020/03/19/quantum-gravity-will-shape-the-world-carlorovelli/)。また、ループ量子重力理論などを説明している本もいい本とのこと(https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309467054/)。

以下、WIREDの記事についてコメントを書いておく。
「量子論を理解することが、自然を理解する方法に大きな変化をもたらす」つまり、応用としての量子力学を目指すのではなく、その本質を理解するように努力することが必要だ、ということ。
量子重力理論がわかれば、人間にとって時間や空間の新たな概念が生まれるであろう。
「「過去」や「未来」といったものが、もともと世界に内在するわけではなく、自分という存在自体がつくり出すものでしかない」つまり、「時間」は実在していない、という主張。

さて、Twitterのはなし。テレビもみない、Facebookもやらない若い人たちは一生懸命、何に参加しているのか?その1つがTwitter。自分も雨がどうなっているか「リアルタイム」に知りたいとき、Twitterで検索する。この文中では、「リアルタイム」「エッジ」「時代の最先端」を「エッジ」と呼ぶことにする。以前、「同時」というのはほぼあり得ない、ということを書いたが、前述のロベッリの話でも個々の人々(宇宙のそれぞれの場所もか)はそれぞれ個々の「今」を持っており、共通の「今」がないということ。Twitterでツイートするということは、ツイートされるコトが起こったのは自分がツイートする前の話で、エッジの立場からすると出遅れている、ということになる。ただ、ツイートすることにより、また、ツイートせずともTwitterを数分ごとに触ることにより、「共通のエッジにのっている」気になれる。つまり、時代の最先端にいれるわけだ。おそらくこれが一生懸命参加している動機になっているのではなかろうか(意識していないのかもしれないが)。世界で起こっている「ライブ」に参加し、自分がそこに「存在」していることを確認するように。これほどまでに孤立したパーソナルが、結局は、ネット内では「今」を共有しようとし、時代のエッジを生み出している。人間は根本的に独りになれない動物なのではないだろうか。
ここで問題なのは、たしかにエッジにはいるが、知識として正しいエッジにいるわけではない、ということだ。一気に広まるツイートは、ともすればただのうわさ、デマである可能性があり、それをもってエッジにいて「わたしは知っている」というのは非常に危険だ。正しい情報なのか、正しくないのか、を区別するには相当の知識(ときには常識)が必要であり、グーグルで検索して、「知っている」と思い込んでいる人ほど、要注意だ。予想しておくが、あと2,3年以内に「情報の正しさ」を検索することなしに説明できる人が重要視されるのではないだろうか。これは若者だけでなく、おっさんも含めて。


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