ハードSFの書き方21「キメラは必須か?」
異質な世界の間を行き来できる、こっちの世界、あっちの世界、どちらにも対応、するとキメラのように1つの個体に2つの異なる遺伝子的な根本構成でなくてはならないのか。BLAME, マトリックス2、界面活性剤、親油性、親水性、あの世、この世、臨死体験、イタコ、それ以外に可能か。
BLAMEでは、サナカンが結界内の侵入する際、タエのコピーをつくりそこに入ることによって結界を超えて侵入している。つまり、ニンゲンと機械のキメラとなって両方の世界に存在できている。
マトリックスでもスミスが「現実世界」に入る際、クルーの体を乗っ取っている。
化学の世界はキメラとは違うが、例えば、油汚れを落とす際に、親水性と親油性の両方の特徴を持つ化学物質(界面活性剤、普通の中性洗剤)を使う。1つの化合物で2つの異なる性質を持っているという意味では「キメラ」的である。
キメラは必須なのか?現世の出現する(?)幽霊的な存在について考察する。足がない、などの特徴があったりし、また、触れようとするとスカッと通り抜けてしまう、などかなりあちら側の性質が強い。映画ゴーストでも、主人公は最初はモノを動かすことができなかった。
逆に、霊界に「現実世界のニンゲン」は行けるのか?身体ごといって帰ってくる、というシチュエーションはあまり聞かない。ほとんどが精神的なもの、精神世界で向こうへいって、何か情報を聞いてきて、戻ってきて話す、というケースが多い。精神と肉体のある意味「キメラ」的な状況が想定されている。
このようにまあ、異質な世界同士を行き来するには、キメラ的な考え方はかなり必要なのだとおもわれる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?