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すぐ弾ける!ピアノの表現方法


こんにちは。
OZスタジオポピュラーピアノ講師の
小倉裕子です。

私は
初心者の方の為に
効率の良い練習の仕方をお伝えしています。

今回のテーマは「ピアノの表現方法」です。



ピアノは、指を動かせばとりあえずは
音が出るのですが


それだけでは音楽を奏でるというには
何か物足りない。
何かを感じ取る事は出来ないんですね。

ピアニストさんの演奏を観ると
どうでしょうか。
「上手だな」と思うだけではなくて

鳥肌が立つような感覚を覚えた事って
無いでしょうか。


これって演奏の上手下手ではなくて
弾き手の思いがそうさせていると思うんです。

「こう弾きたい!」という思いが
音になって表れている。

これが表現なんですね。

私の生徒さんの中にも
「この曲が大好き」という、思いが
溢れてくるような演奏をされる方がいます。

曲のメロディや、ハーモニーが、
愛おしくてたまらないという思い

ピアノに込められているんですね。
なので、その思いは聴く人の心を動かすんです。

では、実際にどのように弾く事で
思いを表現することが出来るのか。

今回は、「すぐ弾ける!」というタイトルの通り

たった8小節の「かえるの合唱」という曲を
使ってお伝えします。

動画バージョン(1分45秒からプログラム紹介)
文書バージョンは動画の下からになります。


プログラム1「表現に必要なテクニック」

スライド1



表現に必要なテクニックには
レガートやスタッカートなどの奏法

音の硬さや柔らかさなどの音質

段々速くしたり遅くしたり
また途中で止まったりなどの速度
細かく挙げれば沢山あるのですが

スライド2



今回は初心者の方にも分かり易い
「強弱」に焦点を当ててお伝えしたいと思います。
強弱は、表現の殆どを占めていると言っても
過言ではありません。

スライド3


こちらは主に使われる強弱の記号ですが
一番左のピアニッシモがとても弱くという意味になります。
ピアノが弱く、メゾピアノが少し弱く、
メゾフォルテ少し強く、フォルテ強く、

そしてフォルティッシモがとても強くとなっています。
ではこちらをご覧ください。

鍵盤の重さ

これは、指を鍵盤に下した時の重さを測っている所です。
皆さんもキッチンに量りがありましたら
量りに指を乗せてみてください。
体重計はダメですよ(笑)


アップライトやグランドピアノでは
打鍵の重さが700から800gくらい

言われています。


ただ、電子ピアノでしたら
鍵盤がちょっと浅いので
あまり強く弾くと
指にダメージを受けるといけませんので

スライド4


このように650から700gがフォルテ。
だと思って頂くと良いかと思います。

実際に計ってみると、きっと想像より重いですよ。


でも、あくまでも指を下した時の重さですから
鍵盤で弾く時には指を押さえつけて
弾かないように
してくださいね。

スライド5


このようにフォルテより
段々軽くなるにつれてメゾフォルテ
メゾピアノ、ピアノ、ピアニッシモという風に
音も弱くなっていきます。


重さと強さの関係が頭で分かっても
実際に音を出して強い音、弱い音を出すために
指をコントロールする必要があります。

どのようにコントロールするかは
やはり耳
なんです。
自分の音をよく聴くということです。


ハノンなどのテクニックの練習では
強く弾いたり弱く弾いたり。
また段々強くする段々弱くするなど
最初はゆっくりと

よく自分の音を聴きながら
音を出すようにすると
指をコントロールするための良い練習になります。


プログラム2表現方法①
<フレーズの弾き方その1 強弱を付ける>


ではここから具体的に説明します。

スライド6


こちらが「かえるの合唱」の楽譜です。
この楽譜をよくご覧になってくださいね。
これから、同じ楽譜をお見せしますが、
何かが違いますのでよくご覧ください。

スライド7


はい。お分かりになりましたね。

スライド8



スラーという丸い弧線

スライド9



強弱の記号が書かれています。

スライド10



スラーというのは
違う音に掛けられた弧線のことで
スラーの掛かっている間を
滑らかに弾く
という意味があります。

スライド11



ドレミファミレド~までに
スラーが掛かっていますので
ここまでをメロディのひとまとまりとして弾きます。

スライド12



このメロディのひとまとまりの事を
フレーズと言います

文章で言うと、句読点の事です。


では、このフレーズの弾き方ですが

スライド13



「音が高くなるにつれて強く
低くなるにつれて弱く」
という弾き方があります。

ドレミファミレド~
これって、とても自然なんですよね。

お日様が高く上がると気持ちも高揚しますね。
日が落ちてくると、静かで落ち着いた気持ちになります。

スライド14



下の段になりますと
ドの音が並んでいますので
強弱で変化
を付けてみました。


弱く始まって段々強く
クレッシェンド
していきます。

スライド15



次の小節はイメージで言うと
皆で歌い始めているうちに段々楽しくなって
ウキウキするようなイメージ
です。

スライド16



そして曲の最後は
「ああ楽しかったね」みたいに
しみじみと余韻を楽しむというイメージですね。
最後を少し遅くするのも良いですね。


強弱というのは、表現の手段であって
もっとその奥にあるイメージの方が大切
です。
そのためには「想像力」が必要なんです。


初心者の方には是非
イメージを音にする
また、聞いた音をイメージするという
経験を持って頂きたいんですね。

イメージに正解はありませんので
自由に考えて
それを音にしてみてください。

<フレーズの弾き方 その2 丁寧に弾く>

フレーズを弾く時には、出来るだけ丁寧に弾きたいですね。

スライド17



特にフレーズの最初と最後です。
単に弱く弾くというより、丁寧に弾くと、
音が柔らかくなるんです。


また、丁寧に弾くという事は
作者への敬意を表す
ことにも繋がりますし
聴く人にも「あ~素敵な音だなあ」って
思って頂けるんですね。

音楽も、生き物なんです。
一つ一つの音を丁寧に
気持ちを込めて弾く様にすると
必ずその思いは聴いている人の心にに響きます。


表現方法②「和音の弾き方」

スライド18


左手で和音を弾くところがありますね。
この和音を弾く時にも注意が必要です。

何も考えないで弾くと
ただ音をジャンジャンと弾いてしまいがちです。

スライド19



でも、この和音って
男性が合唱をしているイメージなんですね。
ドを歌っている人がいて
ミを歌っている人
ソを歌っている人がいるっていうイメージです。

スライド20


主旋律は女性が歌っているイメージ。
その主旋律をかき消すような音ではなくて
レディーファーストのような気持ちで

女性を引き立てる様に
少し弱めに弾く

立体的で綺麗な音になります。

スライド21



最後の小節も同じで
特に一番最後のドミソは
何のイメージも持たずにジャーンと弾いてしまうと

曲を台無しにしてしまいますので
最後まで丁寧に弾く様にします。


プログラム3「演奏前と演奏後」


曲を弾く前に
まず肩の力を抜きながら
頭の中で曲の速さと最初の音のイメージをします。


そしてゆっくり鍵盤に指を乗せ
息を吸って、弾き始めます。
「さんはい」ってよく合図しますよね。
その「はい」の時に息を吸う
んです。


また、弾き終わった後ですが
弾き終わったらそこで曲が終了するのではなくて



鍵盤から手を静かに下して
膝に手を置いたところで曲が終了する
と思ってください。

音が消えても
まだイメージという余韻が残っている
んです。
その余韻を是非楽しんで頂きたいんですね。

よく、コンサートに行くと
ピアニストさんが、最後の音を弾いた後に
ファ~っと空を見上げる様にしたりして
余韻を感じている所を目にしますね。

もし、その余韻の最中に
「ブラボー」って叫んでしまったら
イメージをさえぎる事になります。

表現というのは
弾いている時だけではなくて
弾いていない時間や空間も
イメージで彩られているんです。

まとめ


1)フレーズの弾き方~
音がたかくなるにつれて強く
低くなるにつれて弱く弾く。


2)イメージを持って弾く。


3)フレーズの最初と最後の音を丁寧に弾く。


4)演奏前に曲の速さと最初の音のイメージをし
息を吸ってから弾き始める。

演奏後は、余韻を楽しむ。


5)和音はメロディを引き立たせるように弱く弾く。


音楽を楽しむということは
知識やテクニックだけではなくて
「何かを感じる」ということ。
または「想像する」ということ。


これらは、これからの時代に向けても
とても大切な事だと思うんですよね。

自分の音をよく聴いて
イメージに近づけるように弾くと
心が満たされるような
豊かさを覚えるんじゃないかなと思います。

どうぞ、今迄以上に
音楽の素晴らしさを感じながら
演奏なさってください。



最後までお読み頂いて
有難うございました🙇‍♀️


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