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仲間を集めて一ヶ月本気でプロダクトを作ってみた話 / #プロダクト筋トレ 会💪

プロダクトマネージャー Advent Calendar 15日目の記事です🎄✨

はじめに

このnoteで分かること
・プロダクトチーム立ち上げの空気感
・プロダクトの0→1で具体的に何をすればいいか
・立ち上げのために作った成果物(リーンキャンバス、マイルストーンなど)の一部を公開

一ヶ月やったことをしっかり書いているのでこのnoteはかなり長文です。お時間あるときにお読みください。また、12/23(水)の19:30から学びや成果物を共有する発表会も企画しているのでぜひご参加ください。

また、具体的ではなく抽象的なプロダクトマネジメントですべきことをご希望の場合はこちらのnoteをご確認ください。

何をしたのか?

参加にあたって、5つのルール

1. 一緒に筋トレをしましょう
各々伸ばしたいPM筋を持ち寄って、全員がプロダクトを良くする立場として議論をすること。

2. 仕事ではできないチャレンジをしましょう
筋トレが目的なので失敗などはなく、経験がないから仕事にできないタスクなどにも積極的にチャレンジする。

3. リリースすることをゴールとはしない
私は自己資金でこのプロダクトで起業するくらいの熱量でやるが、筋トレが目的。1ヶ月で1つ以上の仮説検証を回すことがゴール。

4. プロダクトを作るために作った成果物は公開する
リーンキャンバスやカスタマージャーニーなど、プロダクトを作るためにできた副産物は可能な範囲ですべて公開する。

5. リモートでいいチームを作る
打倒コロナ!😡 😡 😡  NO密!😡 😡 😡 

Week 0: メンバー集めとチームビルディング

全体の進行方針
全体の進行は私がいつもお話しさせていただいている下図の「仮説のミルフィーユ」に従って、CoreからHowに分けて進行させて頂きました。

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今回はプロダクト立ち上げの筋トレをしたかったので、できるだけ広い範囲をやるためにツメツメに詰め込んだ結果、以下のようなスケジュールになりました。1ヶ月しかないのでWeek1にプロダクトの方針を決めて、Week2に仮説検証と並行してカスタマージャーニーマップとビジネスモデルを作り、Week3にMVP開発に着手して、Week4に最終の仮説検証をするというハードスケジュールです。(後に破綻します😊)

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メンバー集め
今回は土日に稼働できるメンバーが良かったので土曜日の午後にTwitterに募集を投稿し、24時間で7人のメンバーが集まりました。私と7人もほぼ初対面。7人同士も初対面。会ったことない人のこういう募集に二つ返事で乗っかってくるだけあって機動力の高い方々で最高です。
正直、全員初対面の公募で大丈夫かという不安もあったのですが、大人で熱くてやる気に満ち溢れていてこのまま一緒にお仕事したいくらい素敵な方々と一緒に筋トレできて私は本当に嬉しいです。ここで、最高のチームメンバーを紹介します🎉

メンバー紹介(全員フォローして損はないはず👏)
■ 渡辺 悟史さん @sassy_watson
プロダクトも分かるエンジニアのさっしーさん。みんなの縁の下の力持ち。■ 鈴木 豊さん @Katayu_kizusu
聡明で穏やかでいつも大人なすーさん。ロジカルなのに一番熱い。
■ 渡邉 良次さん @ryoppi0726
デザインがめちゃくちゃつよいPMりょっぴーさん。みんなを和ませてくれるまとめ役。
■ 郷田 祥史さん @ygoda3
可視化力が強すぎるじゃいぴーさん。ありがとうとごめんなさいが言えるチームを作ってくれる。
■ 津田 将信さん @vyvmsnsdtp
幅広い知識と経験を元に意見をまとめてくれる津田さん。吸収力がすごい。■ 長尾 康一さん @koh1_n
いつも一つ高い視座で全体を考えてくれるこうさん。エモくて熱いハードウェアPM。
■ 深田 紘平さん @fkohe1
本質を見抜く力が強くてハッとさせてくれるふかきょんさん。クールに見えて実は努力家。
■ 小城 久美子(わたし)@ozyozyo
ビリーズブートキャンプでいうビリー隊長。みんなの筋トレマスター。

チームビルディング
まずは皆さんと私で1on1させていただいて、極めたい筋肉をお伺いして回りました。そして、その後チームビルディングのために、自己紹介シートを作って頂きました。

予め自己紹介シートに皆さんの取説を書いていただいたのが良かったです。例えば、「結果しか報告しない癖がある」「打ち合わせでは真顔で淡々と話しがちだが、淡々としているときの方が実は機嫌がいい」「計画立てて規則正しくコツコツする派」など、お互いをちょっと楽しく理解してコミュニケーションを始めることができました。

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キックオフ
キックオフミーティングでは、マイルストーンの共有とみなさんの自己紹介会をしました。自己紹介で「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えるチームがいいチーム!と仰った方がいたこともあり、終了後のSlackはありがとうの嵐👏👏👏

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(図: まだ、距離がちょっとある初日の会話)

Week 1: プロダクトのWhy、「誰を」「どんな状態にしたいか」

会議前のストレッチ文化👏
筋トレ開始即めちゃくちゃ良い文化が導入されました!毎回、会議前には必ずストレッチタイムが設けられ、今日の点数と今日筋トレしたいところを全員話します👏

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プロダクトのCore
プロダクトのCoreからWhatにかけて筋トレをしたいとも思いましたが、初対面8名でプロダクトのビジョンのブレストから開始すると発散しちゃいそうなので、プロダクトのCoreは私の方で決めてしまうことにしました。

プロダクトのビジョン: 「ひとに居場所をつくる」

プロダクトのWhy: 「誰を」「どんな状態にしたいか」

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プロダクトのビジョンを「誰を」「どんな状態にしたいか」に分解し、そこからプロダクトの方針を決めていきましょう💪ということで、まずはアイデア100本ノックから開始しました。

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これに投票をして、最初に深堀りする方針の合意を取りました。何を投票の基準とするかという議論をし、今回は「自分たちがワクワクして使える」軸での投票としました。スタートアップっぽくてたのしい😊

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しかしながら、投票をしていくうちに、ここにいる土日を返上してまでプロダクトをつくる筋トレをやってしまうような人たちが「自分たちがワクワクして使える」ものは似通っていることに気付きます。ここに上がっているアイデアはほぼ全て、「有りたい状態がある人」が「うまく行動できるようにする」プロダクトでした。そのため、一度抽象化してペインとゲインを探ることにします。

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各々でユーザー像を作り、そのバリュープロポジションキャンバスの右側を集めて、プロダクトが解決できるペインとゲインをマッピングしていきます。

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その結果、私たちは、社会人がキャリアを考える上で3つのフェーズがあるのではないかという仮説を持ちました。「自分のゴールを持ち」、「ゴールに向かって踏み出し」、「努力をしている」の3つです。Week1はここで終了して、Week2でこの仮説が正しいか検証していくことになりました。

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Week 2: プロダクトのWhyの仮説検証とエレベーターピッチづくり

役割分担の明確化
一週間一緒に議論をして、みなさんの得意分野が見えるようになってきました。一方で、Week1は会議のファシリテーションを持ち回りにしていましたが、毎日ファシリテータが代わることで方針が定めづらいという問題も起きました。解決策として、各々が役割をもち、その責任範囲で先回りして考えることができるような環境を整えることにしました。また、あえてお互いにかぶりがあるような役割を設定するために、下図のように大臣、責任者、CXOなど誰が上で誰が下なのかという上下関係はない役職を割り当てました。これにより、Week1はお互いにお見合いになることが多かった議論が、「この辺はWhat大臣が仕切れるように準備してください〜」「ビジョン責任者的にこの意志決定どうですか?」のようなコミュニケーションが可能になりました。

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ユーザーインタビュー
「設計、募集、インタビュー完了まで5日しかない...聞けて3人くらいかな...」という絶望的な状況だったにも関わらず、3連休にものすごくじゃいPさんが頑張っていただいた結果、10名もの方にインタビューを実施することができました。以下のnoteで募集したインタビューにご協力いただきました皆さま、ありがとうございました🙏

インタビューの結果、「自分のゴールを持ち」「ゴールに向かって踏み出し」「努力をしている状態」は3つのフェーズに明確に分かれるのではなく、もっと高速にPDCAを回しているということが分かりました。

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(図: 左のように目指す先に一直線に向かうのではなく、山を登りながらゴールを変えている)

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エレベーターピッチじゃんけん✊
ユーザーインタビューと並行して、ユーザーのペイン・ゲインにあったプロダクトのエレベーターピッチを合計25個持ち寄りました。インタビューですべての学びを知ったあとに、投票をして1つのピッチに決めることにしました。しかし投票者は8人、つまり偶数、候補に上がるエレベーターピッチがすべて面白く同点1位状態から3度の決選投票を経て最終1つに決まりました。

👏  最終的に採用したエレベーターピッチ 👏
[自分のキャリアを見直すし、振り返りを]したい
[目標を明確化できないエンジニアやデザイナー]向けの
[Resumeの裏側]というプロダクトは、
[キャリア構築特化型SNS]である
これは[これまでのキャリアや資格/スキルをみること]ができ、
[LinkedIn, Twitter, note]とは違って、
[キャリア選択や変更、資格取得理由や背景に紐づけてコミュニケーションする機能]が備わっている。

Week 3: プロダクトのWhat(リーンキャンバス)

トレードオフスライダーの作成
スケジュール通りに進行するには、残り2週間でプロダクトのWhatを作り込み、Problem-Solution-Fitを確認するためのインタビューを実施しなければいけません。そのために、一度トレードオフスライダーを実施して進め方の認識を合わせました。
「1ヶ月という制限を外すのはどうか?」という意見が出ましたが、1ヶ月という短期間だからこそ参加したというメンバーが多く、また立ち上げの仮説検証の1サイクルを回したいという意見が多くあったため、全員で議論をする方式ではなくもっと分業をして、各自で作業をすすめる方式で残り2週間を過ごすという意志決定をしました。もし、皆さんで同様のプロジェクトを実施される場合は1ヶ月は結構厳しいのでお勧めしません😂

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リーンキャンバスの作成
エレベーターピッチをリーンキャンバスに起したものがこちらになります。私は、エレベーターピッチがあればリーンキャンバスを作るのは簡単だと思っていたのですが、全くそうではありませんでした。どのセグメントを採用し、どのユーザー課題を採択するのかまでピッチでは深堀りできていなかったので、インタビュー結果を元に改めて価値とソリューションを考える作業を実施します。

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そして、エレベーターピッチのもう1つの問題として、シンプルにまとまっているがために、ユーザータイプの概念が抜けていたことがありました。例えば今回のプロダクトは、自分のこれまでのキャリアの表と裏を書く人と読む人がいるのですが、「他の人のこれまでのキャリアやその背景にあった考えを知りたい」というユーザーニーズはインタビューで見つけられていたのですが、それを「書きたい!」という人のニーズは見つけられませんでした。そのため、このコンテンツを作ってもらうカスタマージャーニーを描くことができないという問題に陥りました。

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そのため、ここでピボットをして書き手のニーズがある価値を再定義して、リーンキャンバスを書き直すことにしました。そこで、もっと書き手に価値を寄せて、「自分の目標を公開し、他の人からフィードバックがもらえる」プロダクトになりました。

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私たちは「本当にユーザーは、自分の目標を公開し、他の人からフィードバックがもらえると嬉しいのか??」という大きな疑問を抱きましたが、「自分の目標を公開し、他の人からフィードバックしてほしいですか?」と聞いても正しいインサイトを得ることはできなさそうであることもあり、これは仮説に据え置いて先に進みます。

Week 4: プロダクトのWhat→How(ユーザーストーリーマッピング、モック)

ユーザーストーリーマッピング
次にリーンキャンバスからモックをつくる作業を実施します。これを業務外の4日間だけでやってしまうので本当にすごいチームです。まず、初日はりょっぴー先生の主導でユーザーストーリーマッピングのワークショップを実施しました。最初にこのプロダクトは「誰の」「どんな悩みを」「どうやって解決するか」の3つの質問にチームで答えて前提を揃えていきます。

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その後に、参加者で思いつく限りのユーザーストーリーを書き出す個人ワークを実施しました。そして、その後に時系列に並べてグルーピングしていく作業を実施します。

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最後に、ユーザーストーリーマッピングの醍醐味であるMVPのために、上図のMUSTやnice to haveのラベルをつけていきました。ここで、何度も意見が分かれましたが、最初に考えた「誰の」「どんな悩みを」「どうやって解決するか」の回答に戻ると自ずと答えが見えてきて最高でした😊

モックの作成
「今回は筋トレなので仕事ではできない業務をしよう」を合言葉にやっていたので、普段はワイヤーを引かない有志でモックの作成も担当していきます。まず最初にユーザーストーリーマッピングを元にどんなページが必要であるかを箇条書きにしました。

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それを元に画面のワイヤーを引いていきます。(ほんまに初めてなん?というクオリティ)それを元に、足りない要素を検討したり全体の体験を再調整していきます。

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そして、このモックを元に改めて、このプロダクトが価値を感じていただけるのかユーザーインタビューを実施します。

・・・

ところで。きっと、ここまでの長文を読んでくださったあなたは、ユーザーインタビューでどんなインサイトが得られるのか、きっと気になっていると思うんです。

だから、ユーザーインタビューを一緒にしませんか?
つまり、みなさんの前でインタビューをするので、どんなインサイトが得られるのか一緒に体験しませんか?

ライブインタビュー&報告会を実施します

12/23(木) 19:30〜このプロジェクトの報告会を実施します。この報告会の冒頭に、このプロダクトのモックを皆さんにも触っていただきながら、ライブでユーザーインタビューをしていこうと思います。

そして、このnoteは私目線でのレポートとなりましたが、報告会ではプロジェクトに参加頂いた皆さんからの学びや、筋トレポイントについてお話し頂きます。もともと10人くらいの小規模イベントの予定でしたが、このままいくと参加者が100人を超えそうなので、本気出して準備していく所存です。ぜひ、ご参加ください。

なお、プロダクト筋トレチームは学びを深めるために向けてプロジェクト全体のふりかえりを実施しています💪 詳細は報告会でお話しさせてください。

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今後の筋トレについて

こういった筋トレは他の方にも是非ご参加いただいて、継続的に取り組んでいきたいと考えています。この筋トレプロジェクトのSlackにいろいろな方に入っていただいて、日夜いろいろなプロダクト関連の議論をしていくのはどうでしょうか。ご賛同いただける方はぜひ、以下のこちらからご参加ください!

かなり長文になってしまいました。最後までお読みいただきまして、ありがとうございます!明日はいつも素敵なnoteを書かれるRettyの野口さんですね。楽しみにしていましょう🎉

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