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脳科学ビジネス業界が発展するには?

脳科学ベンチャー出身のオズヤンマです!
1年半ほど脳科学ベンチャーにいたので、そのときの経験や感じたことなどお伝えします!
就職を考えている方やビジネス的な取引を考えている方の参考になればと思います。

今回は
「私が感じた現状の脳科学ビジネスの限界」
について話します。
以前の記事(製品評価の案件が多かった)にもつながる話です。
 ここでは"脳活動を計測する"ビジネスを指します。


脳科学ビジネスが拡大しにくいのは
1.計測に負担がかかる
2.脳活動計測はアーチファクト(ノイズ)に弱い
3.計測機器が目立つ

という理由が考えられます。


1.計測に負担がかかる

生体データを扱うビジネスにおいて
「計測機器が人の負担にならない」
というのは重要です。

同じようにデータを計測するスリープテック界隈では
・ベッドにセンサーを仕込む
・スマホをベッドの横に置いてデータを取る
・リストバンド型のデバイスを使う
など負担を感じさせずにデータを計測してます。

一方で脳活動を測るとなると、頭に何かつけなければならないので、どうしても負担になってしまいます。
特に女性は計測機器をつけると化粧や髪型のセットが崩れることもあるので、気軽に計測することはできません。

2.脳活動計測はアーチファクト(ノイズ)に弱い

簡易脳活動計はアーチファクト(ノイズ)にものすごく弱いです。

簡易脳波計は電気的なアーチファクトに弱く、コンセントや蛍光灯の近く、自動車の車内など、脳波以外の電気的信号をキャッチしてしまいます。
他にも首や顔の筋電も脳波に混入します。

簡易脳血流計は"近赤外線"を使って計測していることもあり、光に弱く、蛍光灯や太陽の光の当たり方が違うと計測データに支障が出たりします。

また、このような計測機器は少しずれると脳活動データが取れなくなります。

このような事実を知らずに
「ちょっと計測してみよう」
といってデータを取っても、綺麗なデータは取れません。

クライアント企業はこの辺の知識がなく、"簡単にデータが取れるだろう"と思っていることが多かったです。

ハイブリッド車の運転時の脳波計測に苦労した話はまた別の記事にします(笑)

3.計測機器が目立つ

そもそも頭に何かつけてると目立ちます(笑)

これが"脳科学ビジネスが一般市場に踏み込めない一番の理由"だと思います。
人類学者ルース・ベネディクトが「恥の文化」と表現した日本において、"目立つ"というのは意外と抵抗感が大きいです。
Fitbitのように手首につける程度であれば問題ないですが、さすがに日常生活で脳活動計をつけるのは難しいです。

私が脳科学ベンチャーに勤めてたときに検証案件ばかりだったのも、簡易脳波計が普段使いできるものではないことが一因です。
通勤中や仕事中など、生活の中でみなさんが脳波を測るようになれば、もっと一般向けのサービスが普及すると思っています。
個人的にはリアルタイムでストレスを可視化して通知するアプリが欲しいです(笑)


このように
ハードウェアの進歩
なくしてこれ以上の脳科学ビジネスの進展は難しいんじゃないかと考えています。

現在、イーロン・マスクのNeuralink社が脳埋め込み型のデバイスを開発していたり、フェイスブック社がブレスレット型のデバイスを開発している会社を買収したりと、ハードウェアの開発も活発になっています。

もし脳活動計が日常使いできるようになれば、5Gとも相まって常にデータを計測しつつ、リアルタイムでいろいろできるんじゃないかとワクワクしています。


とまあ、いろいろ個人的な思いも書き綴ってしまいましたが、
脳活動データを取るためのハードルが下がる
ことが重要なんじゃないかなと思います。


これからも脳科学ビジネスやその周りのことを記事にしていきます!

それでは~


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