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[ベトナム266日目]マルチプロジェクトジャグリング-当然だから怖い抑えておくべきたった2つのポイント


オフショア開発でも、私がクライアントからの直接の窓口になっていないことで、多くのオフショア側チームの監視・コントロールを行っています。

今回は、当然のことしか書きませんが、だからこそ複数案件があっても漏れると怖い2つのポイントを挙げています。

当然過ぎますが、自己啓発の目的で再度意識付けを行ってみます。

ポイント①納期とスコープ(Delivery)

QCD管理はプロジェクト管理対象の基本ですが、オフショアが対応する「納期」と「スコープ(作業範囲)」を漏れないようにします。

いつまでに、なにが完成していないといけないのか、が大切です。

状況や制限事項を報告だけ見ていると、オフショアチームが楽観的な報告をしている場合や、問題点と課題の抽出がされていないこともあります。

こうしたことがきっかけで、日本側のプロジェクトチームやクライアントとの認識齟齬が生まれることが想定されます。

当たり前のことですが、「なにを」「いつまでに」というところが、ズレないように、守れるようにするためには、まず正しく認識することを務めます。

また、相手の認識が誤っている場合もあるので、自分用の管理ファイルはもちろんのこと、議事録や文字に残しましょう。

ポイント②リソースのリスク

1.人的リソース
2.機材リソース
3.ネットワーク

これらの観点でリソースのリスク管理をします。

1.人的リソース

ベトナムにおいて、人的リソースのリスクは深刻な問題です。特に、突然の退職が日本に比べて頻繁に起こることがその一因です。

労働法で30日前に会社へ伝えれば退職できるため、転職先の会社でも30日以内に転職が完了しなければ内定を取り消すということができます。

ですので、リーダーの成長やプロジェクトに対する評価を行いつつ、期間が終了するまでは継続して対応してもらえるような交渉に近い施策を打つことになります。

大事なことは、「モチベーション」のためになにか「しないこと」です。

飲み会とか、プレゼントとか、そういうことのためではダメです。

意味ないです。

自分のためや、リーダーのためにメンバーのためにチームが働いてくれるという状況は、5段階評価で3です。

個々人がプロジェクトからなにを得られるのかを確認しつつ、日本のやり方や、細かい進め方、日々成長することで将来的にどういう展望を持つのかを、1on1のように示してあげることが大切です。

しかし、

ベトナム人は未来のことはすぐに忘れます。

週次や月次で思い出すタイミングを設けるという方法が良いです。

2.機材リソース

次に、機材リソースに対するリスクです。輸入手続きが難しいです。研究・開発中の機材をベトナムのチームへ発送する際には許可の申請と新品として発送するなどが必要です。

注意点は原則的に「中古の情報機材は輸入不可」です。

許可証が必要で、数ヶ月単位が必要で、日本の大手運輸会社の海外事業部門も対応してくれないくらいの難易度だそうです。機材がどのように必要になり、いつまでに必要で、代替可能かどうかの管理が必要です。

モバイルアプリ開発などの場合には、案件の要件定義の段階で確認が必要です。

3.ネットワーク

最後に、ネットワークです。

ベトナムは、「施設」または「地域」でネットワークが不安定な場合があります。IT企業が多く入る大きいビルは、ネットワークが安定している傾向にありますが、突然有線が接続不可になるなど、謎のリスクが存在しています。

また、最近では地中ケーブルの故障が復旧せず、ネットワーク回線が安定しない地域も発生しているそうです。最近では、私の家は他の部屋の方が使っていそうなタイミングで回線がすごく遅い状況があります。

YouTubeとかは問題ないのですが、ネットゲームだと大問題なので、ストリーミングのような方式で通信している分には影響がない回線速度ではあるものの、安定しないと辛いです。

施設の回線が落ちていても、別回線でWi-Fiがあるかどうか、を確認しておくと、打ち合わせなどを急に欠席することはなくなります。

さいごに

本来は、プロジェクト全体で把握しておかなければならないことはたくさんあります。プロジェクトライフサイクルを通じてポイントが変わります。

ただ、日本人なら考えずに理解できることをベトナム人が理解してくれる場合とそうでない場合があります。

納期近く、終わっていないことを終わらせたいからチャットでの回答は張り付いて欲しいときがあるとか、手戻りや空時間なく進めたいので、クリティカルパスになるところは細かく進めたいなどなど。

そういうことが分かる人と分からない人がいるため、最低限のことを抑えつつ、プロジェクトマネジメントやプロダクトマネジメントに入っていくと良いという優先順位に関するメモでした。

ではまた。ありがとうございました。

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