演劇ゲーム 第2話

第2話

君たちは この劇場から 逃げることはできない、少なくとも劇が終わるまでは

なんでこんなことするんだ。

役者の一人が言った。


理由なんてない。

ただ、楽しいからやっているだけだ。

これ以上質問したら、 この場で殺すぞ。

手動でも脳内に埋め込まれた爆弾を爆破させることはできるんだ 、仮面の男は言った

続けて仮面の男は言った

一週間ぶんの 食料や水。 電気ガス水道を使えるようにしてある。

生活には困らないだろう。

夜は、 男女で部屋を分けて眠るんだ。


一週間後に会おう。

と言ってディスプレイが切れた。

なぜ仮面の男はこんなことをするのか、主人公はそう思った。

とりあえず、 総支配人の死体を 運び出した。 そして、地下の倉庫に。 彼の死体を置いた。 新聞紙を下に引いて極力血が流れ出さないようにした


そしてみんな一旦稽古場に戻った。 状況を整理するためだ。

机の椅子に座るもの、壁に横たわっているもの、泣いている人
人の反応はそれぞれだ。

劇団長のボブがしゃべった


まず状況を整理しよう。 総支配人は確かに死んでいた。
だからさっきの劇についても脅しじゃないだろう


また、 脳内チップのもの埋め込んだと言っていた
各自ちょっと自分の頭を触って確かめてみてくれ


そうすると、 周りの人間が自分の頭に触り始めた。 他人の頭を見て何か異変がないか探る者もいた

特に主人公自身も頭を触ってみたが、違和感はなかった。

まだ劇場の周囲の確認してみた
仮面の男の言うとおり、劇場は外から鍵がかかっていた

また、 ロッカーは 全て開封されスマートフォンなどの 通信機器はすべて持ち去られていた。

固定 電話などはもともと置いていなかったので、 外部との通信手段はない

つまり外部との通信手段は一切断たれた

どうすればいいんだ 仮面の男の言う通りに従うしかないのか
自分たちが仮面の男の手のひらに遊ばれていることに絶望した


次に食堂を調べた

冷蔵庫には 十分な食料が入っていた。 コンロも使える。

仮面の男の言う通りなんとか 一週間程度は暮らせそうだ。

食事を取りながら、みんなで話し合って1週間後の 舞台に臨むことを決めた。

まずは台本を読み始めるところからだ

台本はロミオとジュリエットがベースとなっていることが読み進めていくうちにわかった。

この舞台であれば、 昔 この劇団で 演じていたことがある。 その時僕はロミオ役だった。

だから、 脚本を 覚えることも演じることもなんとかなるのではないかなと思った。

その晩、一人で寝ていると、凄まじいほどの不安に襲われた。

47年間生きてきて、 今まで死ぬことを考えたことはある

ただこれほどまで自分が死ぬということをリアルに考えたこと感じたことはなかった

もし私が一文字でも台本を 間違えたら 死ぬんだ。そのことを考えるだけで怖くて怖くてどうしようもない

今まで 築き上げてきたものが何もかもなくなる。 そう思うと震えが止まらない。

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