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Yes / Tales from Topographic Oceans (海洋地形学の物語)

■Yes / Tales From Topographic Oceans
■収録曲:Side 1 - The Revealing Science Of God - Dance Of The Dawn 20:27, Side 2 - The Remembering - High The Memory 20:38, Side 3 - The Ancient - Giants Under The Sun 18:34, Side 4 - Ritual - Nous Sommes Du Soleil 21:35)
■パーソネル:Jon Anderson(vo) Chris Squire(b) Alan White(dr) Steve Howe(g) Rick Wakeman(key)
■リリース:1973年12月
■カバー・アート:Roger Dean

1973年の春、「イエス」は、3月8日から14日にかけて、ツアーで日本を訪れました。続く17日にはオーストラリアでの公演が控えていましたので、東京に滞在したのは、3月7日の記者会見を含め、わずか数日間でした。この貴重な時間の中で、フロントマンのジョン・アンダーソンは、パラマハンサ・ヨガナンダの「あるヨガ伝道師の自伝」を読み、深い影響を受けたのだそうです。そして、アンダーソンは、バンドメンバーのスティーヴ・ハウに次作のアイデアを共有し、彼らは続くツアー中に新曲を書き上げました。

アメリカでのツアー、特にジョージア州サヴァンナでの滞在中には、その楽曲はほぼ完成していたそうです。アンダーソンは「魔術的体験」であったと言っています。

ツアーの終了後、バンドはスタジオに入り、新たなアルバムのレコーディングを開始しました。アルバムには「1973年遅夏から初秋にかけて」と記載されています。

そして、1973年12月、彼らの6作目となるスタジオアルバム「海洋地形学の物語」が発売されました。

さて、このアルバムなのですが、2枚組で4曲という代物です。私が物心ついた頃にはすでに黄金期のイエスのアルバムは出尽くしていましたから、レコード屋の棚から出して、よくロジャーディーンのジャケットアートを眺めて中に入っている音楽に想いを馳せていたものでした。

当時は、ネットはありませんでしたので、聴く機会はFMで流れるかどうかにかかっていました。当然、こんな20分台の曲が4曲も入っているアルバムをたやすくかけてくれるDJはいませんでした。

2枚組4曲というと、少しプログレに足を突っ込んでしまったら、もう期待で頭がくらくらするくらい、訴求効果は絶大でした。丁度、タンジェリンドリームのZeitも2枚組4曲でしたので、どちらも聴いたことがない中でどちらを買うかというのは、当時の子供のお小遣いと2枚組の値段を秤にかけると、かなり勇気のいる決断でした。

その頃、WEAレーベルの1500円セールが始まりアトランティック・レーベルのイエス、クリムゾン、ELPなどの廉価版が出ました。海洋地形学は3000円だったかな?そのお陰で、海洋地形学をお持ち帰りしました。

今から考えてみると、その時、Zeitに手を出していたら今時、どのような趣味嗜好になっていたのか、ちょっと怖いですね。起伏のない暗黒の音楽。裸の王様かどうか試されているようなアルバムですからね。

まぁ、そんなわけで、無事に、極めて自然なシンフォニック系のプログレに初動段階で浸れて、今に至ることができたというわけです。いやぁ、九死に一生を得たって感じですね。

発売された時期、このアルバムの評判は、賛否両論だったようですね。それは今でもそうなのですが、客観的にいうと冗長です。私は、大昔に聴き込みましたから、体に染み付いていて違和感はないのですが、もし、編曲を任されたなら、10分の曲4曲に切り分けて、レコード1枚に纏めたいと思います。このアルバムが、2枚組ではなく1枚であったなら、危機くらい重要なプログレッシヴロックのマイルストーンになっていたのではないかと思うのですがどうでしょう?

※ このオフィシャルyoutubeはBox用のイントロ付きバージョンです。

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