理数系・工学系離れが止まらない
私は教科「工業」の高校教師で工学部卒です。教育者として、理数系・工学系離れが進んでいるのを危惧しています。教育者側の関心度の低さや知識・理解・経験不足も原因の一つだと思っています。
中学校から「工業」のある専門高校への進学、高校から「工学部」のある大学へ進学というのは共通点があります。さらには幼少期や小学校時代の経験も影響しているかと思います。理数系よりは、工学系寄りの記事になっています。
中学校から「工業」のある専門高校への進学について
こちらの記事の中で書いています。
中学生に接している中学校の先生は工業や工学についての知識は乏しく、またその大切さや楽しさを伝えることは難しいでしょう。中学校の技術・家庭科の先生は例外かもしれません。
高校から「工学部」のある大学へ進学について
大学工学部系統に進学する場合、様々なパターンがあると思いますが、進学をメインとした高校から大学に進学するパターンが一番多いのではないかと思います。
いわゆる進学校の先生というのはどのような先生でしょうか。中学校と同様に、高校は普通科を卒業し、大学へ行き、教員免許を取得しています。学部は、教育学部卒の人がやはり一番多いと思います。教員免許が取得できる、文学部、理学部卒の人もいらっしゃいますが、進学校で工学部卒というのは聞いたことがありません。
そもそも工学部で、例えば数学の教員免許が取得できない大学カリキュラムもありますから、当然と言えば当然です。私の所属していた大学も、教科「工業」以外の教員免許は取得できないカリキュラムでした。
また、こちらの記事で書いていますが、
進学校に勤務する教育学部や文学部や理学部卒の先生は、進学校ばかりが職場のことが多く、工業のある専門高校に勤務したことのある人ばかりではありませんので、高校における教科「工業」に精通していなくて、工学についても疎いほうと言っても過言ではありません。
進学校と呼ばれる高校で、工学部のことについて生徒に進学指導する場合、結局のところ見聞きした情報だけですよね。そりゃ生徒はなかなか工学部に行こうとは思いませんよね。
中学校の先生と同様に、「工学部」で学ぶことや意義や楽しさを伝えることは難しいでしょう。
幼少期や小学校での経験や学び
さらには幼少期や小学校で「ものをつくる」ことの経験が少なくなっていると感じます。小学校の先生方はやはり教育学部卒の人がほとんどです。経験はさせているかもしれませんが、先生自身が楽しんでできているかというと、そうでもないことも多いのではないでしょうか。特に小学校の先生は幅広い業務で、授業時間ですることは増えていますし、時間的にも厳しい先生が多いため、それどころではないという事情もあると思いますが。
児童・生徒に、理数系や工業や工学について大切さや楽しさを伝える機会
理数系・工学系離れが進んでいるのは、別の原因もあると思いますが、このように、生活の大半を過ごしている学校生活の中で、理数系や工業や工学についての楽しさが伝わっていないのも原因の一つだと思います。理科においても実験をする時間を確保するのもなかなか難しいですよね。
理数系、工学系の内容は、はっきり言って簡単ではありませんが、わかってくると有意義で楽しいものです。
最近、「STEM教育」「STEAM教育」という言葉も良く使われます。けっこう大切なことだと思っています。いずれも、「T」はTechnology、「E」はEngineering、であり工学系です。
無駄にモノをつくることは廃棄を増やすだけなので賛同できませんが、ものをつくることは楽しいことですし、生活を豊かにしてくれることもあります。持続可能な開発が大切です。SDGsですね。
今の教育のシステム中に、工業的・工学的要素がもっと入り込んできたら良いのかなと思っています。
#教育 #理数系離れ #理科離れ #理工系離れ #進学 #工学部 #STEM教育 #STEAM教育 #教師のバトン
前回の更新から2ヵ月ですね。やはり年度初めは余裕がありません。
しかしながら、このほったらかし状態でも、noteのダッシュボードを見ると、Google検索に乗っかている記事は、週で90、月で400程ビューがあります。改めてnoteのドメインパワーを感じました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?