球春を迎えて 2007春
土手の道を突き当たりまでいくと
小さな子どもたちが試合をする
川原の球場にたどり着く
その道の果てまで走る野球部員たち
黒の帽子にグラウンドコート
白いユニに包まれた2本の足は
跳ねるような足取り
一瞬その姿が
まるで湿原に舞う鶴のように見えて
不覚にも涙が出そうになった
どんなに憧れて
どれほど大切に思っていても
踏み込むことの叶わない神聖な領域
子どものころから
野球好きな父とともによく観たプロ野球
王貞治のメモリアルアーチもテレビで観た
高校野球はPL学園 清原と桑田
タッチやドカベンも大好きだった
スポーツはするのも好きで
中学からバレーに熱中した
熱気のこもる体育館の扉を開けると
吹き込む風の向こうにある世界
グラウンドに広がる白のユニフォーム
ボールを打つ音 響くかけ声
流れる汗 黒く光る首筋
どんなに憧れていても
踏み込むことの叶わない世界
今までも今もこれからも
だから応援するのがわたしの仕事
少年野球に目覚めた3年生の次男
風邪をひいて熱があっても
疲れて宿題をしたくないときも
いつもボールを投げていたいこの子は
自分の小ささがもどかしくてたまらない
お兄ちゃんのように
手がもっと長ければいいのに
悔しさに憧れを込めてそう言う
そんな小さな弟の願いを理解する兄は
もう次がチーム最後の夏になる
春が来てグラウンドの雪がとけたら
また2人分の白い練習用ユニが
毎日土と砂にまみれて
わたしはそれを
とても神聖な物でも扱うようにして洗う
そして真っ白に洗われたユニを
わざわざ名前が見えるようにして干す
そうやって毎日毎日
一日も欠かさずに野球のことを考える
小学野球は次男の応援
中学は長男の
高校は駒大苫小牧
大学は駒苫OBのいるところ全部
そしてプロ野球は田中将大
毎日毎日 欠かさずに
応援を繰り返すそんな日々は
球春とともに
もう すぐそこまで来ている
応援の原点は2人の息子達。応援こそ我が人生と思える日々をわたしにくれた、息子達に感謝です。そして、全てのスポーツ母ちゃんにとって、思う存分に応援出来る毎日が、早くやってきますようにと、心から願っています。
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