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救助活動

今年一発目の救助活動が見晴で行われた。
ケガをされた人が自力歩行が出来ないため、救助要請をしたのだ。見晴地区は、燧ヶ岳登山者の遭難、道迷い、尾瀬沼から下って来る際の木道転倒、尾瀬ヶ原での木道転倒、小屋宿泊者の急病や体調不良など、あらゆる救助に対応しなければならない。

【尾瀬は平坦】というイメージが強いが、上述した理由とキャンプ場、6軒の山小屋を訪れる人数を考えるとどうしてもケガのリスクは高まるものだ。特に忙しい週末に事故やケガが発生するので、小屋営業をしながらだと救助編成は非常に大変なのです。

救助活動を行う福島防災(過去pic)

事故や道迷いなどが発生する時間はだいたいお昼から夕方にかけ、チェックインや夕飯準備の時間帯が多い傾向にある。これは迷惑とか面倒とかという話ではなく、単に過去の統計上の話だ。
ケガの具合や病状などにもよるが、急を要する場合には防災ヘリを呼ぶ事になる。尾瀬の場合は、福島、群馬、新潟の防災ヘリがメインで救助に来る。出はからっている場合、他県の防災ヘリが救助に来ることもある。

群馬防災はるな
山形防災もがみ

お察しの通り、お迎えに来たヘリの都道府県の病院に搬送されるため行き先は選べない。また、天気が良いことが絶対条件となるため、悪天候や航行出来ない夜間は救助ヘリが来ない。その場合、最悪の事態ともなると山岳救助隊の要請もしくは小屋のスタッフで隊列を組み、人力で担架搬送することになるのだ。
脅かすようなお話で申し訳ないが、これが山小屋の登山者を守る役割なのである。夜中に燧ヶ岳から背負って降りた事もあれば、早朝から鳩待峠まで背負った事もある。

何が言いたいかというと、ケガは仕方がない。病気は誰にでもなりうる可能性がある。しかし、地図を持たない事での道迷いや、食料不足や寝不足での体調不良、装備不足での転倒や滑落でのケガや事故などは、登山者やハイカーの事前準備で防げる可能性があるということです。

山小屋を予約したお客様が連絡もなく小屋に到着しなければ、何時まででも山小屋のスタッフは待ち続け、予定ルートをお迎えに走ります。ですので、山小屋を予約する際は必ず緊急連絡先が必要になります。どのルートで小屋に向かうかも予約の際には必ず伝えるようにしましょう。

物資輸送を中心に行う民間ヘリ

尾瀬に飛んでいるヘリには二種類あります。
前述した救助を行う為の防災ヘリと、物資運搬を行う為の民間ヘリの2つです。
救助の場合ほとんどのケースが防災ヘリが来るのだが、何らかの事情で民間のヘリが飛んだり、民間の担架搬送となった場合は高額な費用請求となる可能性があるので、登山保険などに加入しておくのが安心であろう。最近の登山保険は救助費用までリカバリーしている事も多く、もしもに備える事は大切だ。


檜枝岐村ガイドRAKUの崇さん

終わりに、昨日から今日にかけtetonbrosさんと、檜枝岐村ガイドの崇さんが駆け付けてくれた。
雪下ろしやスタッフユニフォームなど様々な場面でお世話になっており、これからも苦楽を共にするかけがえのない大切な仲間達だ。そんな仲間達と営業シーズン中に自分の山小屋でおもてなし出来る事ほど嬉しい事はない。これからも宜しくお願いします!

尾瀬小屋
工藤友弘

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