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キャリアは人生というドラマの伏線回収。ただし脚本通りにはいかない。

「人生後半は、人生前半の壮大な伏線回収」
とはよく言ったもので。

ただし、脚本はない。
書いてもその通りにはいかない。

ある日突然、
思いもよらぬ登場人物と再会して、
新たなストーリーが始まる。

ふと、主人公(私)は気づく。
あのときのがんばりが、
ここにつながるのか、と。

それが楽しい。


15年の時を経て、認められ報われる

先日、15年ほど前に勤めていたベンチャー企業の社長から、メッセンジャーで突然「手伝えませんか?」と連絡がありました。
facebookの「知り合いでは?」に表示された私のプロフィールを見て、独立したことを知ってくれたようで。

話を聞きに会社を訪問すると、以前やっていたことを進化させて
「こんなことできたらいいな」
「こういうものがあったらいいな」
というのを形にしていました。

これから本格的に進める上で、やってもらいたいことがあるので手伝ってくれないか、とのこと。

「腕が鈍っていなければ」
と言われて、
「認めてくれていたんだなぁ」
と、当時は感じられなかったことを
15年の時を経て、今さら思う(笑)。

いや、今だからうれしいのかも。

30代半ばだったあの頃、生意気盛りで好きなこと言っていたけれど、仕事そのものには一生懸命打ち込んでいました。
特に、細かい仕事をていねいに。
それを活かして今回「やってくれ」と。

一生懸命やっておくもんだな。
いつ報われるかなんて、わからない。
そう感じました。

恩返しの機会が巡ってくる

当時の会社が手がけていたことは、あまりうまくいっているとは言えない状態でした。
私が会社を辞めたのは、他にやってみたいことに出会ったからですが、社長や会社への不満も、なくはなかった。
私が辞めた後も、どんどん人が去って行ったようです。

でも社長は、あきらめず形にして、必死に事業を軌道に乗せようとしている。
自分の元を去ったことなど根に持ったりせず
「手伝って欲しい」
と求めてくれた。

思い起こすと、社長にはいろいろなことを教わりました。
特に、今でも大切にしているのは
「お客さんから何か相談されたら、まず『はい、できます』と言え。できるかどうか、どうやるか、は後から考えろ」
という言葉。
おかげで、さまざまなことに対応できるスキルが身につきました。
つまり、今の私を形づくってくれたものと言えます。

その「恩返し」というか、
何か役に立てたらうれしい。
そんな機会が巡ってきた、と思い、
この話をお引き受けしました。

いつか、何かがつながる

これまで一緒にやってきた人や知り合った人が声をかけてくれて、仕事につながる。

実は、去年から今年にかけて、このようなことが続いて起こっています。
いずれも、ある日突然連絡をもらって。

私ができること、得意にしていること、夢中で打ち込んでいたことなどを覚えていてくれて、思い出してくれたんですね。

たくさん転職して、いろんな仕事をしてきたけれど、その時々でやってきたことや、人との出会いは、いつかどこかでつながるんだな。
見てくれている、覚えていてくれる人がいるんだな。

自分で興味を持ったこと。
たまたま与えられた仕事。
きっかけは何でもいいから、目の前のものに打ち込んでいると、
いつか、何かがつながる。

どこで何があるか分からないし、
コントロールはできないけれど、
点と点がつながって、線になる。

キャリアって、伏線回収なんだ。

分からないから、おもしろい

「いつどこで役に立つか分からないような、意味のないことに時間をとられたくない」
「どこでも通用するスキルを早く手に入れたい。そんな環境に身を置きたい」

そんな「タイパ」を求める人が、特に若い世代を中心に多いという話を聞きます。

気持ちはわかります。
キャリアに悩みや不安はつきもの。
なぜなら【先のことは分からない】から。

そう。
いつ、何が幸いするかなんて、
誰にも分からないんですよね。
「そのとき」は、突然やってきます。

だからこそ、
まずは目の前のことに一生懸命になってみる。

ある程度の方向性は必要だけれど、
自分の興味、おもしろそうだなと思うアンテナに従っていれば、大きくずれることはないでしょう。

違うと感じたら、他を探してもいい。
いろんなことを、経験すればいい。
ただ、すぐにあきらめたり、中途半端で投げ出すのではなく、
まずはひとつのことを、納得いくまでやり抜く。

偶然出会ったことに
興味関心を持って、やってみる。
すると、そのとき得たものや出会った人が、
何かにつながる。

キャリアは伏線回収。
ただし、脚本通りにはいかない。
だから、おもしろい。

話題になったドラマ『不適切にもほどがある』にも、そんなセリフがありました。
「どうなるか分からないから、おもしろいんじゃねーの?」
と。

それをおもしろがっていると、
きっとまた、いつかどこかで、
何かがつながるんだろうな。

そのために、目の前のことに打ち込む。
お楽しみは、これから。

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