見出し画像

魚座土星期をどう活用するか④

前回の魚座土星期がどんな時代で、どういう出来事があったのか。



世紀末に近づいていたその頃、数年前にはベルリンの壁の崩壊もあり、それまで当たり前だったことが音を立てて壊れていき、新しい価値が生まれていった……そういう過渡期は不安定で不透明になりやすいもの。
日本では阪神淡路大震災がありました。
地下鉄サリン事件が起こって、宗教の在り方が問われた時期です。
薬害エイズ問題の和解が成立したのも、1996年です。薬は魚座の管轄で、毒という目に見えないものに光を当てるのも魚座らしい力です。
長く続いた自由民主党政権から、日本新党の細川内閣へ交代したことも大きい。
世界では、北朝鮮の金正日書記長がなくなり、パレスチナとイスラエルの和解が進んでアラファト議長とラビン首相とペレス首相がノーベル平和賞を受賞します。が、翌年にラビン首相は暗殺されるという事件も起こりました。

2023年魚座土星期にも、いろんなことが起こるだろうと想像できます。この後の冥王星水瓶座期の到来も併せれば、インパクトは前回の比ではないだろうと読めます。

『魚座土星期をどう活用するか①』こちらから↓

『魚座土星期をどう活用するか②』

『魚座土星期をどう活用するか③』

土星が魚座に入ると、魚座的な価値観に光が当たります。
宗教二世の問題には、さらにメスが入り、もっと奥に隠されていたことが暴露されていくのじゃないでしょうか。
ジェンダー問題意識も人々の間にもっと浸透し、男女の格差が是正されていくように思います。そのために多くの議論がなされて、対極する考えがぶつかったりすることが増えるかもしれません。
またいわゆる「スピリチュアル」と銘打ったあやふやなものに対しても、これは偽もの、これは本物、など精査されていくんじゃないでしょうか。
そういう過程を踏むことで、人々の中に「目には見えないけれどたしかなもの」を見る目というのが養われていくのかなと感じます。

個人レベルでは、古い価値観からの脱却と解放


逆にこれまでの価値観にしがみついていると、どんどん苦しくなっていくかと思います。
「個」が尊重される水瓶座的な風の時代の中で起こる魚座土星期、わたしは金子みすずさんの有名な詩を思い出させます。

『みんなちがって、みんないい』

すべての人が唯一無二の存在であり、違うことを尊重しながら、互いに共感し合える。そんなふうになっていくでしょうし、そういう精神で生きていける人にとってはこんなに生きやすい時代もないでしょう。
物質的なものに価値が置かれ、決められた枠組みの中で活躍することを鍛えられた地の時代、そこでは生きにくかったと感じていた人にとって、これからの時代はある種のユートピアかもしれません。

風の時代は軽さが大事です。そして魚座は癒しの星。
自分が何かに束縛されているような、足枷をつけられているような感覚を持っているなら、そこから解き放たれるチャンスです。
たとえばわたしは、強烈な母に振り回されて生きてきました。
魅力的な人だし、わたしのことを愛してくれていることもわかるから、大好きだけど、とにかく何をぶっこんで来るのかわからない怖さが常にあり、母から電話がかかってくるたびに心臓がきゅっとなる……好きなのに嫌いというストレスにさらされていました。
その母が病気になり、最期を笑顔で見送ることができ、わたしは自分の人生の第二ステージがはじまったように感じたものです。母の死をこのように感じてしまうのは寂しいことなのかもしれませんが、それほどわたしは母と切り離すことができず苦しんでいました。どうやったら親との縁を切ることができるだろうかと何度も考えましたが、なんせ根本的に大好きなのだから答えはでません。たちが悪いです。

わたしの周囲にも、親の呪縛にとらわれて苦しんでいる人が少なくありません。大好きだけど、重い。
愛しているし、愛されているのはわかるけど、なぜか自分が不自由になっている。
自分が縛り付けられていると感じるのなら、親であっても、離れていってもいいと思うのです。なかなか簡単にはできないことですが、まずは自分が自由になってもいいのだと自分に許可することは大事だと思います。

もしも、こんなふうに苦しいから離れたい、ということを伝えて、それを許さない親なら、なおのこと離れるべきです。
わたしにも二人の子供がいるのではわかりますが、親というのは本来、子供が幸せでいることを願っているものです。子供であるあなたが不自由な状態であってもいいから、そばにいてほしい、というのは健全な親子関係ではないでしょう。
共依存のような関係にもなっているのかもしれません。

違うものに束縛されている場合も、脱却できる機会かもしれません。たとえば「期待されている自分像」。
わたし自身も、こういうものにまだ縛られているところがあって、「こうあるべき」という思考になりがちです。
責任を果たすことは大事だし、責任感を持つことも人として正しいけれど、あまり強く持ちすぎると自分を追い詰めると思うのです。
わたしたちがなぜ生まれて、生きていくのか。
その問いに正解なんてない。
わからないけど、どうせ生きていくのなら、幸せな経験をたくさん積んでまっとうしたい、というのが今のところわたしがたどり着いたシンプルな方向性です。
たとえば輪廻転生していたとしても、この人格で生きる人生は、たった一度きりなのだから。

自分は楽しみ下手だわ、というのであれば、ぜひともこの魚座土星を活用してほしい。
自己犠牲を感じているなら、何かの犠牲になっている自分を助けましょう。自分は自分の一番の味方であるべきだから、まずは自分を救ってあげることが大事。
頑張り屋さんほど、自分を労わるのが下手です。自分だけが頑張ればいいのだから、とすぐに自分を酷使します。
「あなたの肉体は、神様から借りているものだから、大事に扱わないといけない」
と、わたしは頑張り屋の友人に話すことがあります。
借りているものだと大事にするものですよね。
土星というのはスパルタ教師だけど、味方につけるとこんなに頼もしい星はない。
わたしも魚座の土星パワーを楽しもうと思います。

(ホロスコープは趣味で、本業では小説やエッセイを書いています。中学受験に挑む12歳たちの青春群像『きみの鐘が鳴る』ポプラ社 絶賛発売中)

(40代、シングルマザーの早織は過去に自分を苦しめた愛しい人のSNSをこっそりフォローしている。そんな時にその恋のライバルだった友人と再会……止まっていた時間が動き出す。『たこせんと蜻蛉玉』光文社 絶賛発売中)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?