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愛の縫い目はここ

今回は最果タヒさんの詩集「愛の縫い目はここ」について。

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人生初の詩集を読みました。縦書きと横書きの詩が交互に掲載されていて、普段小説の縦書きに見慣れている僕にとってはそこも新鮮でした。

全部で43編の詩が収録されています。

その中で僕が印象に残った詩を一つ。「坂道の詩」という詩です。


小中高大と地元から一歩も離れずに生きている僕には少なからず負い目がある。それは安全地帯にいることからなのか、行動しないことからなのか分らないけどこの街がどこか嫌いだからかも知れない。

この詩はそんな僕のもやもやを上手く言葉にしてくれたようなきがする。夜、ベットや床に寝転ぶ。すると沈み込むような感覚に襲われる。都会人が空気や水がきれいと憧れる田舎はそんなきれいなものじゃない。くすんだ山や海がそこにあるだけだ。

そんな街でも、「大丈夫、この街が嫌いでも生きていけるよ。」の一文で締めくくられるこの詩は僕の琴線に触れた。


僕の好きなミュージシャン尾崎リノさんの「夜中のライブハウスに」という曲の歌詞にも「どうせ死んでいるこの街が好きよ」というのがある。どこか同じ感覚なのかもしれない。

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