「私にとって不要なものが経済を救う」

 2018/8/21 切れた電球

 ある日、脱衣所の電球が切れた。これは実に不便であろう。私はすかさずコンビニへ赴き、信頼と実績のLED電球を購入して帰宅した。少々値が張ったが、長期利用が可能であることや電球が切れた時の不便を総合勘案し、躊躇せず購入した。なお、口金26mm、100Wということだけは確認した。

 帰宅後、嬉々として取り付けようとしたところ、どうにも上手くはまらない。改めて従前の電球の形をよく見てみると、T字に近い形をしている。後から知ったことであるが、どうやらこれは「レフ電球」というものらしい。電球に疎い私は、違う種類のものを購入したようである。

 とりあえず、脱衣所内にある洗面台の電球があれば当面の不便はない。半ば意地になった私は、新たに電球を買うことはせず、洗面台の電球だけで脱衣所全体を照らすこととした。それで事は足りた。

 そして今日、脱衣所に引き続き洗面台の電球も切れた。これは40Wであることを確認した。とりあえず浴室の電気を灯してみたところ、それだけでも取り立てて困る訳ではない。もはや脱衣所が浴室に付随するものである以上、浴室以外の電球は「無いよりは有った方が過ごし易い」程度のものであると考えることにするべきであろうか。

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 本件をもって気が付いたことは、身の回りの物は「無いよりは有った方が過ごし易い」程度のもので溢れているということである。本当の必需品がどれだけあろうか。

 そういえば、国内メーカーのPCも不要なプリインストールソフトばかりで敬遠していた。もしかしたら、多くの仕事で自動化・効率化が図られる中、それでいて仕事が減らないのは、多くの供給者が不要な物や役務に付加価値をつけて市場に供給しているからではないか。私はそんなプリインストールソフトも、24時間いつでも丁寧なコンビニの接客も求めていない。

 しかしながら、必需品だけが産出される社会は経済的に不健全であろうし、消費者は間違いなく息苦しい。電球にも種類があって然るべきであろう。問題があるとすれば、電球の違いを理解せず、買い間違えた私の不注意である。

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 とりあえず、私は日本経済のために電球を購入しようと決意し、スーパーまで足を運んだ。しかし、先述の洗面台の40W電球、こちらは口金のサイズが相違していた。これはさすがに反省に尽きる。

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