見出し画像

【とても、個人的なこと 10】ぼくらの灯台

Netflixで配信された『LIGHT HOUSE』を摂取した。

星野源さんとオードリーの若林さんが約1ヶ月に1回集まり、"悩み"や"日常の出来事"について対話を重ねていく番組。この2人のトークが聞けるだけでありがたい限りだが、毎話トーク内容やトーク場所(場所やシチュエーションが毎回変わるのも醍醐味)に合わせて源さんが新曲を卸しちゃうのだ。全6回なので、新曲が6曲。2023年8月現在、生きてて良かった。

LIGHT HOUSEは直訳すると"灯台"。「悩める人々の明かりを照らす灯台でありながら、自分たちの足元は暗そう」な2人のトーク番組だから、その名が与えられたそうな。すごくしっくりくるネーミングで、そこだけ切り取っても唸ってしまう。

配信されてから2日に分けて一気見。本当に最高な時間だった。
番組を観ているというよりは、2人の世界観にお邪魔して演者未満観客以上の立ち位置で同じ時間を共有しているような没入体験。それくらい心地のいい至極の対話でした。暗い足元でもがき続けながら、それぞれの表現に昇華し続けてきた2人だから出てくる言葉は、全くステージの違う自分にも届く淡い光を放っているものばかり。すっかり灯台だ。

2人で対話したからこそ生まれた"何か"であることは大前提だが、特に源さんの対話における姿勢や出てくる言葉にひたすら心打たれ続けていた。自己の捉え方、世界の捉え方、若林さんの言葉の受け止め方、その土壌から生まれる妥協のない表現。どれも宇宙みたいな引力を持っていた。源さんの楽曲は以前から日常的に聴いている。が、番組を通じて楽曲から滲み出る世界観や人間性をより純度高く受け取ったことで、虜になってしまった。もっと彼の世界や表現に触れたい、摂取したいという欲求が止めどなくなっている。じんわりと積み重なった興味関心に血液が巡り、齢28歳にしてすっかり星野源のオタクが完成しそうな予感だ。番組を経て生まれた全6曲が、ちょっと天才すぎてオタク化に拍車をかけているのは確か。一生のお願いを使って、音源化を望む。

常日頃からほんのりと、日によっては鮮やかに対話を渇望している。2人の対話を通じて、近い/隣り合った感情や価値観や世界を持っている人と自分も定期的に言葉を交わしたいとより強く思った。"話す"ことは"放す"こととも言うらしい。今の自分は「手放したい」こともあるかもしれないが、「開け放ちたい」ことが多いような感じがする。淡いグラデーションの中に漂っている無数の灯火のようなものを見つけても、自分だけでは確かめることができないから、他者にも自分の視界を開け放って一緒に確かめてみたい。そんな時間を折り重ねて表現していくと、それ自体が光を放つのかもしれない。

いつの間にか、灯台になっているといいな。

▼『LIGHT HOUSE』みんな観てね▼

▼最近はPodcastでやっている「おゆうの部屋」で、近しいことができていて楽しい▼


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?