「あっ!」「うん・・・」のお金

これまで私がお金をいただくという経験をしてきた中で、

「あっ!」と思っていただく時と、
「うん・・・」と思っていただく時という2つのパターンがありました。

今回はそんなお金をいただく時について、考えていこうと思います。

「あっ!」と思っていただく時のお金

「あっ!」と思っていただく時のお金というのは「自分の想像の範囲外のところから、自分の想像の範囲内に自分に負荷をかけてお金をいただいた時のお金」です。
私はこれまでに何度か絵を描いてお金をいただいたことがありました。絵を描くことは好きですし、フォトショップ、イラストレーターをそれなりに使えるので「じゃあ、チラシのイラスト描いてくれない?」とか通っていた大学で「大学に掲示するポスター作ってくれる?」とお願いを受け、「あー、私で良ければぁ・・・」とゆるーく仕事を受けるようなやり取りでした。
「自分にはこれができると自覚を持っていて、ある程度気持ちに余裕があること」でいただく仕事というのはやりがいを感じることはもちろん、仕事をお願いする相手も自分もできることがわかっているので、大きなトラブルもなく仕事が進みます。
もちろん、できることだからといって手は抜かず、限られた時間の中で全身全霊で仕事をします。そしてお金をいただく時は大抵、「あっ!えっ?こんなことでお金いただいていいの・・・?」と呆然にも近い心境になります。
自分ができることに対して、相手から感じられる価値はお金で表されます。当たり前のことですが、それって自分ができることには相手にこれほどの価値を感じられて、嬉しいと思って貰えることなのだと不思議であり、嬉しくも感じます。そういう流れでくるお金というのは「縁があるお金」なのかもしれません。

「うん・・・」と思っていただく時のお金

「うん・・・」と思っていただく時のお金というのは「自分の想像の範囲内でところから、自分の想像の範囲外に自分に負荷をかけていただいた時のお金」です。
昔、ブラインドタッチができるという理由で電話オペレータのアルバイトをしていたことがあったのですが毎回すごく緊張していました。緊張し過ぎて、仕事をどういう方法でこなすことがいいのか、仕事の成功と失敗の分析や、上司や周りの人々とのコミュニケーション等、仕事のすべてにおいて余裕がなく、自信もありませんでした。その為、周りに迷惑をかけることもありましたし、上司が何で不満そうにしているのかよく分からずにストレスを抱えて仕事をしていました。
「自分にはまだできない、これはわからないと思っていて、気持ちに余裕もないこと」でいただく仕事というのはとにかく必死になるので、仕事をお願いする相手もどうすればいいのかわからず、トラブルが多いなか仕事が進むことがあります。
お金をいただく時、つまり給料日に振り込まれる通帳に明記された金額を見るたびに私の心は満身創痍、無の状態でした。「うん・・・お金はいただいた、有難い。でも心に響くものも感じるものもない・・・。」自分ができたこと、やったことに対して、相手から価値を感じて貰えたことは嬉しいことです。でも、自分の心に無理をし過ぎて得たものには人は無関心に近い心境になるのだと思います。そういう流れでくるお金というのは良くも悪くも「違う自分に気づくためのお金」なのかもしれません。

人は時に自分を偽って見ることがあります。
本当はできるのにできないと思ったり、本当はできないのにできると思ったり。こうすればできる!という情報があっても、実際にやってみなければ、経験してみなければ偽りか真実かはわかりません。その為の人生であり、お金という人生のオプションがあるのだと思います。

あなたはどんな気持ちでお金をいただきたいと思いますか?