ぼくの空はいつもグレー
何でもないように装っている。考え始めると耐え切れなくなりそうだから、考えないようにしている。現実から逃げて逃げて。本当はベッドの上にある安堵と添い寝していたい。永遠に。いつもの起床、いつものモヤモヤ。
抜けだした先にあるものは、晴れか雨か曇りか雪か。平等に訪れる。
足元がおぼつかない二人は仲良く手をつなイテワどっちがどっちを支えているのか。片手に杖を。片手に黄色の小さな肩がけバックを。二人は歩いている。私の目の前を。
おはよう
声に出さずに投げかける。当たり前のように線路を走る電車の音しか聞こえない。
おはよう
おはようの神様
そう名付けたのはいつだっただろうか。
彼女らを見るたび、思い出すのだ
。そこには日常があるから。高校まで過ごした田舎町、母との毎日、泣きながら歩いたキャベツ畑。
東京という街は、私にとっては一人で生きる街で。友達と過ごす街。だからこそ、そこにあるあたりまえの日常に温かみを感じてしょうがない。思い出すきっかけにならざるを得ない。孫の手を引くおばあちゃん、流れる柔らかい空気。
おはようの神様が今日もいるから、私は今日も働く、生きる。前と上を向く。
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