無気力にならず、行動すれば、気づきが得られる
人は臆病と言われるのを好みません。私も言われたくありません。印象も良くないし、弱虫と言われている気がします。
7月13日(日本時間14日)に起きたトランプ元大統領暗殺未遂事件で、トランプさんは耳から出血していたにもかかわらず、気丈にこぶしを振り上げて、団結を呼びかけました。この行動に称賛の声が上がっています。こんなに毅然とした態度をとれるスゴイ精神力に多くの人が驚嘆していました。
私はトランプさんが臆病かどうかわかりませんが、瞬間にどんな態度をとるか判断し、決断した能力は、これまでいくつかの修羅場を乗り越えてきた経験から培ったものでしょう。
臆病な政治家たち
政治家や施政者には臆病者と言われるのが最大の屈辱の一つと思われますが、実際には私たち、一般の市民と同様に臆病な政治家は数多く存在する気がします。
なぜなら、古来から指導者の中にも多くの臆病な行動がみられるからです。
紀元前5世紀にペルシャ(現在のイラン)のアケメネス朝の王だったクセルクセスは「王自身はいつも逃亡では最初に、戦闘では一番最後にいるのが見られた。彼は危険の中では臆病で、脅威が去ると高慢になった」と古代ローマの歴史家トログスに臆病と傲慢が揶揄されました。そして、戦争で敗北し、アケメネス朝の衰退のきっかけをつくったそうです。
歴史学者の山内昌之さんは、現代でもクセルクセスのような臆病な施政者がいると言っています。
ハメネイとネタニヤフの共通点
山内さんによれば、イランの最高指導者ハメネイ師は民兵組織を犠牲にする形で欧米に譲歩するなど、しばしば臆病とからかわれるほど慎重だと評しています。対するイスラエルのネタニヤフ首相についても、敵を追い詰めつつ巧みに逃げのタイミングを計り、だんまりを決め込む臆病と高慢が裏表をなす政治家だと述べています。
第二次大戦はヒトラーの野望を見抜けなかったイギリスのチェンバレン首相と、対決を避けたフランスのダラディエ首相の無能で、臆病な二人が、ヒトラー進撃の道を開いたと言われています。
ハメネイ師やネタニヤフ首相の臆病が及ぼした功罪の結論は出ていませんが、歴史を見てみると、政治家、施政者の臆病は国民や市民に多大な犠牲を強いるような気がします。
医師4人、警備員111人
覇権国家の元首は威勢のいいことを言っていますが、民主国家の元首以上に内面では臆病かも知れません、中国の習近平国家主席や金正恩総書記はどれくらいの警護体制をしているか知りませんが、先日、ロシアのプーチン大統領の警護体制を記した文書が漏洩したとネットニュースに出ていました。大統領の自宅には4人の医師と111人の警備員が常時配置されていると伝えていました。警備員のための長さ50メートルの射撃場もあるそうです。食事に着席するたびに4人の警備員があらゆる動きを監視して、毒殺などに対応しています。猜疑心にかられているのでしょう。心の中に臆病がある程度根付いていなければ、劇画にでてくるような大げさな警備体制はとらないでしょう。
米大統領選挙は臆病者と詐欺師の戦い?
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