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エス

ごきげんよう、大淀です。

書籍の通販サイトのレビューを読んでいると、書籍によってレビューの空気が違うことに気づかされました。
それに気が付いたのは、ちょうど吉屋信子の「花物語」のレビューに目を通していたときです。
本のレビューというのは、大抵どれを読んだって、的外れなものが紛れ込んでいるものです。
しかしこの書籍のレビューは、不思議とどのレビューも美しかった。

私は吉屋信子の本をまだ読んだことがないのですが、「花物語」は少女のバイブルと呼ばれるほどの不朽の名作です。
美しい世界観や文章に呼応するように、読者もまた、読後にこみあげる思いを美しい言葉に変えて紡ぐ。
そういう読者が吸い寄せられるのか、はたまた、作品に触れ、自分もその美しい物語の一端になりたいと望むが故、紡がれた言葉なのか。
もしかしたら両方なのかもしれません。
そういう世界もあるのかと初めて知ったのでした。

また、こういった作品のことをエスと呼ぶことも知ったのです。
まだまだ私の知らない美しい世界が、文学の世界には広がっているのです。
読書の意義を改めて感じた瞬間でした。

エス:特に戦前の、日本の少女・女学生同士の強い絆を描いた文学、または現実の友好関係。sisterの頭文字からきた隠語。(Wikipedia参照)


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