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思春期教室(性教育)の実際


3年程前から沖縄の性教育に携わっている。
沖縄は若年妊産婦が多く、婚姻率や離婚率も高い。性犯罪や子どもの虐待が問題になることも多い。

そこで現在、沖縄の小学校、中学生、高校などで助産師として「性」について子どもたちと考えている。


私自身は、性教育を受けた記憶があまりない。
「怪しい人にはついていかない」とか「女子は月経(生理)があるよ」ぐらいだろうか。

でも、実際の世の中には
実に多くの「性の課題」がある

子どもたちが知りたい性教育の内容


性教育をやっていて思う。
一方的にこちらが伝えたいことを伝えてもあまり子どもたちに響かない。
「命の大切さ」とか「第二次性徴について」とか教科書に載っていることを子どもたちに知って欲しい(こちらとしては)わけだけど、一方的だと響かない。


子どもたちが性について
何を知りたがっているか
何に困っているのか
どんなことに興味を持っているか


これは実際子どもたちに尋ねてみて初めてわかることが多い。


だから、性教育をやる前後で子どもたちから意見を聞いて、それをフィードバックすることが大切だ。
ただ実際は事前にアンケートなどをとることは難しく、事後アンケートや感想などを参考にすることが多い。

また、男女分けて性教育を行うことが多いのも沖縄県の性教育の特徴だ。
個人的にはその方が異性を気にせず講演内容を聞くことができるかな?と感じている。

実際、男女別にした方が授業後に子どもたちが質問や相談に来ることが多い。

子どもたちからよくある質問や相談内容
●マスターベーション(自慰行為、オナニー)のやり方や頻度、性的嗜好について
●性の違和感について
●月経(生理)がこない、PMS(月経前症候群)について
●妊娠の可能性について
などなど…

実際の性教育の内容と課題

性教育で子どもたちに伝えたい内容として以下の項目がある

●第二次性徴(身体面の成長)
●性ホルモンの増加に伴う気持ちや心の変化
(性的興味•性的興奮の出現、等)
●避妊や緊急避妊法
●性犯罪や性被害の実際と対応
●性の多様性(LGBTQ+など)

ざっと挙げただけでこれぐらいある。
これらを家庭や学校教育だけで対応するのはなかなか大変である。
だからといって、1度の性教育講演会で全て説明するのも無理がある。

そこで沖縄県内では
小学校5〜6年(早いところでは幼稚園から)から性教育をスタートさせ、中学校の3年間、高校の3年間かけて性教育を行うことが増えている。

早くから段階的に伝えることで、子どもたちは性に関する課題や問題に関心を持ち、理解を深め、自分事として考えていきやすい。


このやり方が徐々に県内に浸透しつつあるが、県内全域に平等に性教育を行き届かせることが今後の課題だろう。


最後に

沖縄はまだまだ男社会だ。
長男や父親などの男性優遇の風潮が今尚続いている家庭が多く、特に性に関することは男性が主導権をにぎり、望まない性行為や妊娠に繋がっている。

それでも昔の沖縄の人は
「仕方ないさー」
「女性はそういう運命だよ」
と受け入れる(諦め?)ことが多かった。

でも、時代は令和!
男女関わらず誰もが自分を大事にすることができるようになりたいものだ。
性教育=自分の人生を大事にする

みんなが自分を大事にできて、それから誰かを大事にできるようになる。

そんな大きな目標を掲げて性教育を続けていこうと思う。


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