見え方、三考
月に雲。
曇りガラスに風の街。
日本人の好みは奥ゆかしい。
クッキリハッキリ見るよりも、何か越しに眺める景色が乙なのです。
蝋梅や雪うち透かしたる枝の丈
芥川龍之介、33歳ごろの作品です。
江戸時代、徳川家でお茶の接待役をしていた芥川家。
風流な物をたくさん所有していたそうです。
しかし、大政奉還によってあれやこれやを売り払い、最後に残ったのは庭の蝋梅だけだったと龍之介は語ります。
凍える空気にぼんやり陽を透かす。
蝋細工みたいな花弁。
晩冬の季語、蝋梅は冬の終わりを告げる愛惜の香りです。
風情を大事にする日本人。
わかりやすく伝えることも大事だけど、もっと知りたいと思ってもらう方が先ですね。
では、またね。
よい1日を。
ごきげんよう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?