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氷の代用品が、代用品をこえたんだ~ 氷への憧れ請負人・水無月~

それは、人々の希望から始まったお菓子だった。氷への憧れを一身に受けた和菓子が、そこにはあった。

水無月:そうですね。私誕生した当時、氷ってすごく貴重だったんですよ。ひむろって知ってます?氷室京介じゃないですよ。昔の冷蔵庫。土の中とかで食品保存するシステム。機械の冷蔵庫できて、だいぶ減っちゃったんですけどね。そこに、氷保存して。旧暦っていう昔のカレンダーの6月、今でいう7月頃になるのかな...に食べてたんですよ。食べると夏バテしないって言われてるし、なんか溶け具合でその年の占いなんかもしてて。
でもね、超貴重で、食べられる人限られてたんですよ。宮中とか、将軍とかね。

(_ポーン_ 氷に憧れた

ものすごい憧れだったんだよねー、氷食べるって。
それでね、あー食べれないね残念。じゃなくて、形を真似すればそれっぽくなって涼しいかもよ?って楽しみ始めちゃって彼ら。
すごくないですか?氷食べたくて、でも食べれないなら、雰囲気だけでもアリでしょって作っちゃうの。そういう氷への想いから私は生まれたんですね。

氷の代わり。正直、複雑ではなかったのか?

み:たしかにね、代用品かって思った時もあるけど、だんだん氷と違う存在になったっていうのかな。
6月末ってこの半年分の邪気払って、残り半年健やかなれってイベントがあるんですよ。夏越の大祓ってやつ。今もやってるよね?
それにもあわせて小豆のっけて邪気&暑気払っちゃおうぜってしてるの。すごくないですか?応用力。

(_ポーン_ お菓子として存在する

ちなみに赤は魔除けの意味もあって、三角は氷の形や、一年の半分って意味もあるらしいんだよね。盛りすぎてて草なんだけど。
まぁそんな感じでさ、色々意味つけて、行事にくっつけて。いつのまにか氷の代わりとしてじゃなくてね、お菓子としても楽しんでもらってて。なんか…...嬉しいなって。1年に1回、6月にしか会えないんですけど。毎年、この時期を心待ちにしてます。

彼は…恥ずかしそうに笑った。横顔は、誇らしげだった。


プロスィーツとは?

み:求められることに、応え続けること。求めてもらえるだけで、ラッキーだから。


♬♬♬ちゃららーん ちゃららら~ら~


 終
オヤツ



※私的解釈&会話妄想。


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