番外編: 心の友達
「また泣いてるんだ?」
ぼーっとしていると声が聞こえてくる。
「うん」
時々ぼーっとしながら自分の世界に入り ”誰か” と会話する。
ここでは見たくない聞きたくないものがない。
僕だけの世界。
とっても気分がよかった。
いつの間にか僕の中にいる "誰か" が増えていた。
「きみは誰?」
答えはない
でも何を言いたいのかわかる。
他にも誰かいる。
「あ、きみはテレビでみたアニメのキャラ」
いろんな人が僕を励ましてくれてるようだった。
現実の世界に戻ると親からの暴力。
そんな現実から逃げるために一人で絵を書いて自分の世界に閉じこもる。
絵と言ってもそんなにたいそうなものではなく漫画のような絵を適当に描いて一人何役もして物語を進めていった。
そんな時、
"誰か"が言った。
いや僕が言ったのかもしれない。
「ぼくが友達になるよ」
「ありがとう」
「僕好きなものの真似するの好きなんだ。じゃあ君の真似していい?」
「いいよ、つらいときは僕の真似して」
つらいときは"誰か"の真似をした。
つらいときじゃなくても"誰か"の真似をして喋ってみる。
そうするとみんな驚く。
おもしろかった。
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