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2年生の1学期の面談で、カナダへ移住の意向を伝えた

日本の小学校の入学前に学校公開日というのがあり、その時に校舎の中で
<みんな違ってみんないい>という言葉が壁に書かれていました。

この言葉が当時の私には結構ビビッときて、こんな言葉を掲げている学校素敵だなと思ったのでした。みんな違ってみんな良さそうな経験は親子ともども残念ながら入学当初からあまり経験することはなかったのですが、、

息子は保育園の年長頃から
「なんで歩き方変なの?」「走るのが遅いから同じリレーのチームにはなりたくない。」「息子くんはハサミを使うときは先生が見てる時だけね。」「鬼ごっこは息子をタッチすればすぐ捕まる」など出来ない事をたくさん指摘されてきました。小学校に上がると素直な子どもたちから素直に気持ちを伝えられる機会も増えていたように思います。
(息子は早産の際の脳性麻痺の一種、PVLの影響で少しぴょこぴょこした歩き方をします。)

その結果、「僕のせいでみんなに迷惑をかけるし、僕のせいでリレー負けちゃうし、それで僕のチームが負けてお友達を泣かせちゃったこともある。だから運動会には行きたくない。」と特に身体を動かす団体競技や外で遊ぶ事を嫌がるようになりました。元々スポーツは観戦もやる事も大好きだった息子は学校の休み時間ではお絵かきや日記を書くという完全なインドア派に転向しました。

そんな事や前回までの学校との色々で決まった今回の海外移住。
一つ一つの出来事をつなげることで決断はより固まっていきました。

少なくとも海外での生活は本人の自信にもつながると思うし、何より4人に一人が移民者である移民大国のカナダ、<みんな違う>が当たり前な環境へ行くことで得られるものはあるのではないか。もちろん、英語取得によってたくさんの人とコミュニケーションを取ることができるのもメリットの一つではあると思っていましたが、それ以上にダイバーシティへの期待が高かったです。

というわけで、2年生に上がった息子、本人はカナダへ行くことをあっさり容易に受け入れてくれたので、あとは親の私が環境を整えてあげるのみとなりました。
とは言っても気持ち的な生理が一番の山場だと思っていたので、あとは事務手続きをいかにリサーチを重ね、効率的にこなしていくか。という環境整備です。

まずは1st stageは学校への相談兼報告。

2年生の担任の先生はいわゆる中堅のサバサバした女性の先生で、私としては「お!話が早い!」と思う事が多く、結構好きな先生でした。ネイルや髪色も日本の先生としては割と自由に自己表現していたように思います。
(余談ですが、カナダの先生はタトゥーや髪色、服装本当に自由です。生徒の子どももピンクヘアーやブルーヘアーの子もいます。)

その担任の先生に、面談の時にまずは近況を聞くために

「息子の学校生活はどうでしょうか?1年生の時は色々とついていけてなかったみたいなのですが。」

と聞いてみたところ、

「あ、そうそう、なんか色々引き継ぎ事項は確認してたのですが、大丈夫そうですよ!楽しそうに過ごしているし、勉強も頑張ってます。私も良かったな、って思ってます。それで、ちょうどご相談なのですが、席なんですけど息子くんに確認したら一番前じゃなくても黒板見えてそうなんですよね、確か見えにくいってことで一番前にしてたんですよね?席替えの時にこのままだと選択肢が全然ないのも可哀想だなって思って、もし大丈夫そうなら3列目くらいまで選択肢に入れてもいいですか??」

と聞いてくれました。

親としてこういう、現場で判断してくれて、「これはどうですか?」と聞いてくれる姿勢がものすごく嬉しかったです。今までは「(そもそも)どうしたら良いですか?」と聞かれることが多かったので、

「現状見てみて、こうしてみたらいいと思うんですけどどう思います?」

はなかったので、そうか今までなんとなく感じてた違和感は、親の私は学校生活がみえてるわけではないのに、いざ何か決めるとなるとまるで全ての判断は親のあなたがしてください。と言われているような少し疎外感のある気分だったからなのかもな、と思ったのを覚えています。

この面談の時に担任の先生に「実は、息子の今までの生活を見てきて、
息子には息子らしく過ごせる環境にいさせてあげたいと思い、そのための環境を色々リサーチしたのですが、結果カナダに移住して現地の学校に通おうと思っています。行ってみて違ったな、と思ったらすぐ帰ってこようとは思っているので、もしかしたらすぐに帰ってくるかもしれないのですが、、」と伝えたところ
「え、すごい!息子くん羨ましい!!いいじゃないですかー!実は私が一番仲が良かった同僚の先生が今カナダで教師やってるんです、いつも現地の学校の話を聞いていて、すごいなー日本もこういう教育現場だったらなーって思うことが多いんです!だから余計タイムリーでびっくりしちゃった!」
と盛り上ってくれました。

意外とすんなりと「いいと思いますよ!」と受け入れてくれたのと、
学校側に伝えたことで、
「さあもういよいよ本当に行くぞ!」と言う私の決意もさらに硬くなりました。

こういう周りを巻き込み宣言する一歩一歩が少しずつ自分を追い詰め、渡加への実現度を増していったように思います。





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